1-3月期GDPについて
東京商工会議所
1-3月期のGDPが、4四半期ぶりのプラス成長となったのは、一応、明るい材料であることは間違いない。
ただ、大きく寄与している輸出の伸びは、あくまで米国等の外需に依存したものであり、5日に発表された法人企業統計によれば設備投資は前年同期比16.8%も落ち込んでおり、内需主導の力強い回復力とは程遠いのが実態である。
また、数字の上で伸びを示している個人消費も、記録的な陽気による初夏物衣料の好調など特異な要因がある上、基礎となる家計調査の精度の問題も指摘されており、実態よりも高い数字になっている可能性がある。失業率も高止まっており、このまま放置すればこの傾向が長続きすることは期待できない。
総じて言えば、われわれの実感とはかけ離れた結果と言わざるを得ない。
政府に望みたいのは、景気がようやく底入れの気配をみせている今こそ、財政・税制、金融などの政策手段を動員して、総需要を喚起するための措置を早急に講じることである。
このタイミングを失すると、景気回復に要するコストと時間は逆に増えるであろう。