会頭コメント

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構造改革「工程表」について

2001年9月21日
東京商工会議所

 改革の手順が示されたことを評価する。経済構造改革は、わが国経済を再び持続的成長軌道に乗せるために、成し遂げなければならない、いわば必要条件である。これによって、改革の実行に向けた手法やスケジュールなどがある程度明かになったので、市場に対しても良いメッセージになることを期待する。
 特に当面の最大の問題は、金融機関の不良債権の最終処理である。買い取り対象の拡大など整理回収機構(RCC)の機能強化や、要注意先債権に対する貸倒引当金の積み増しなどが盛り込まれたのは歓迎すべきことだが、一方では金融機関の業績や自己資本比率にも影響し、中小企業などの資金需要に対応できない事態も予想される。そのためにも、健全な中小企業が改革の煽りを受けて連鎖倒産に巻き込まれないよう、既存のメニューも含め、政府系金融機関を総動員して万全のセーフティーネットを敷いてほしい。なお、売掛債権を担保とする新たな中小企業向けの信用保証制度が併せて創設されるのを評価するが、この制度を利用者にとって機動的に運用するとともに、こうした制度のさらなる拡充を望みたい。
 なお構造改革は、深刻化している景気の現状に対して、短期的にはマイナスに作用することが避けられない。政府は、日本経済がデフレ・スパイラルに陥ることのないよう、需要喚起と安全網整備のための補正予算を早急に編成することをためらうべきではない。

以上