会頭コメント

会頭コメント

内閣総辞職について

2000年4月4日
東京商工会議所

 こうした事態になったのは大変残念だが、内閣としてやむを得ない選択だった。
 これまで小渕内閣は、ガイドライン関連法や金融システム安定化関連法の成立など数多くの重要課題を解決に導くとともに、経済再生を重視して景気をようやく回復軌道に乗せ、日本発の恐慌を回避した。特に昨年秋の臨時国会では総理自ら「中小企業国会」と命名され、抜本的な中小企業対策を打ち出した功績は高く評価される。総理の大胆な政治力によって実現した総額30兆円の中小企業経営安定化特別保証制度は、貸し渋り対策として大きな成果を上げた。
 新たに発足する内閣は、基本的には小渕政権の政策を継承することになると思われるが、いずれにせよ、難しい経済運営や、有珠山災害対策など日本全体が大きな懸案事項を抱えていることを十分に踏まえ、全力を挙げて問題解決にあたってほしい。この緊急事態を前にして、与野党とも党利党略は厳に慎むべきである。
 新政権は、まずは景気を本格的な回復軌道に乗せることを最大の目標にしつつ、来るべき沖縄サミットでは議長国としての責任を全うすることを期待する。また同時に、衆議院解散の時期についても適切な判断をされるよう希望する。

以上