4都府県に対する緊急事態宣言の再発令決定について
東京商工会議所
変異株の流行に伴う感染再拡大により、二度目の緊急事態宣言解除から約1か月で4都府県における再宣言が決定された。特に、関西圏における感染急拡大に伴う医療ひっ迫は深刻であり、やむを得ない措置である。東京都は、感染急拡大への予防措置と認識しているが、国民や事業者の予見可能性を確保するためにも、宣言発令と解除の判断基準を分かりやすく示していただきたい。
緊急事態宣言に伴う休業要請等の強度の高い措置は、長引くコロナ禍で困窮する地域経済や企業経営に更に甚大な影響を与えることになるので、これまでの知見や政策検証に基づき、効果的な対策を短期集中的に講じ、早期解除を実現されたい。また、制約を課す事業者に対しては、一層の迅速かつきめ細かな支援の拡充と実行が不可欠である。商工会議所として、中小企業等の事業継続と雇用維持、ポストコロナに向けた挑戦を引き続き強力に後押していく。
こうした国民や事業者の感染拡大防止への取組みとあわせ、感染封じ込めに向けた検査の拡充とともに、非常時における機動的な病床の確保など、国や自治体の強力なリーダーシップの下、専門病棟の整備も含めて、地域医療連携による医療提供体制の抜本的な強化を進めていただきたい。
感染拡大防止と社会経済活動をぎりぎりのところで両立していく希望の光であるワクチンについては、安定的な供給を確保し、接種スピードを加速させるため、接種目標やスケジュールを見える化し、PDCAサイクルを回して計画的に推進されたい。円滑な接種においてボトルネックとなっているものがあれば、規制緩和による拡充を至急図るとともに、民間活力を是非とも活用いただきたい。
最後に、東京2020大会は、感染拡大防止と社会経済活動を両立する象徴的なイベントと位置づけ、意欲と粘り強さを持ち挑み続けることが大事である。安全・安心な大会を実現することができれば、国民全体に漂う閉塞感を打ち破り、社会に明るさと希望を与え、日本の強さを世界に示すことができる。