令和2年度政府予算案の閣議決定について
東京商工会議所
デジタル社会を牽引する人づくり・環境整備やデジタル技術の社会実装等を通じて、わが国の持続的な経済成長を目指す大型の予算編成となった。ワイズスペンディングの考え方を重視しつつ、着実に実行されることを期待したい。
特に、設備投資・販路拡大や働き方改革、事業承継等に取り組む中小企業への支援は、人手・後継者不足に苦しむ中小企業の生産性と付加価値向上を強力に後押しするものであり、高く評価する。
また、地方への移住や地方での起業・就業を促す地方創生交付金等が、疲弊する地方を活性化させる起爆剤となることを期待する。大規模自然災害が多発・激甚化していることを踏まえた国土強靭化対策についても、時宜を得たものであり大変心強い。
一方、社会保障費については、依然として切り込み不足の感が否めない。長期安定政権が確立されている今こそ、政策の軸足を「足元の安心」から「将来の安心」へシフトし、世代間の公平性確保に向けた痛みを伴う改革に真正面から取り組むことで、その大幅な抑制を図るべきである。
今後、中小企業が賃上げや被用者保険の適用拡大に対応していくためには、中小企業が賃上げなどに自ら対応できる環境を整備していくことが不可欠である。
政府には、財政規律に十分注意しつつ、成長に軸足を置いた経済・財政運営をお願いしたい。商工会議所としても、政府と一体となって、中小企業の活力強化や地方創生に全力で取り組む所存である。