会頭コメント

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平成11年度自民党税制改正大綱(谷村昭一専務理事)

1998年12月16日
東京商工会議所

 減税規模が総額で9兆円を超えることになったことをまずは歓迎したい。先の緊急経済対策とあわせ、景気を回復軌道に乗せる大きなテコになることが期待できる。
法人課税については、実効税率40%台への引き下げがようやく実現の運びになったが、それに伴って法人税・法人事業税の中小企業軽減税率の引き下げが盛り込まれたことは、商工会議所の主張が受け入れられたものとして大いに評価したい。
所得税・住民税については、最高税率が50%に引き下げられ、累進税率構造が緩和されたことで、消費需要の喚起に効果をもたらすことを期待したい。
消費拡大には、住宅空間も大いに関係しており、住宅需要を喚起することが大きな経済波及効果をもたらすことはわれわれも指摘してきたところである。そうした観点から、住宅ロ-ン利子所得控除制度の創設は見送られたが、住宅取得促進税制が大幅に拡充されたことを評価したい。
さらに、中小企業投資促進税制の延長・拡充、企業年金の積立金に係る特別法人税の凍結、有価証券取引税廃止の前倒し、登録免許税等の軽減などが決まったのも結構なことである。
特に商工会議所としては、中小企業の事業承継を円滑にするための事業用小規模宅地等の課税特例面積の拡大が盛り込まれたことを高く評価する。新たな事業承継税制の枠組みが導入されることになり、われわれの長年にわたる要望が、ようやく実現の緒についたわけだが、中小企業の活力を維持発展させるため、取引相場のない株式の相続に関する問題や相続税の税率構造の抜本的見直しなど、今後のさらなる拡充を望みたい。
なお、確定拠出型年金制度については、「具体化が図られる場合は税制上の措置を講じる」とされているが、中小企業が導入しやすい個人拠出型も検討してほしい。
いずれにせよ、これらの関係法を速やかに成立させ、一日も早く実行されることが極めて重要であり、かつ実体経済の動きを十分注視しつつ、政府においては臨機応変の機動的経済運営を図ってもらいたい。

以上