会頭コメント

会頭コメント

トランプ米国新大統領就任について

2017年1月21日
東京商工会議所

 ドナルド・トランプ氏が、第45代米国大統領に就任された。米国民のみならず、世界が注目していた大統領選を勝利し、世界経済ならびに国際社会のリーダーである米国の新大統領に就任されたトランプ氏に心より祝意を表したい。

 トランプ新大統領が掲げる大型減税や各種規制緩和、また大規模なインフラ投資などの政策が実行に移されれば、米国の経済成長を押し上げるとともに、世界の経済にとってもプラスの影響を及ぼすものと期待している。

 他方、「米国第一主義」による貿易不均衡の是正やTPPからの離脱、NAFTA再交渉といった保護主義的な政策は、わが国を含めたグローバル経済にとって極めてマイナスの影響を及ぼす。こうした政策は、世界に広がる保護主義やポピュリズムの動きを助長するとともに、世界経済の拡大を支えた自由貿易体制を大きく揺るがすものである。

 また、世界のパワーバランスが急激に変化する中、世界各地でテロや紛争が絶えず、地政学的なリスクが高まっている。とりわけ「テロとの戦い」への対応は、米国はじめ各国にとって最重要課題である。トランプ新大統領には、現実に目を向け、関係国との連携と協調を図りながら世界の安全保障に積極的に関与していただきたい。

 不透明な世界情勢ではあるが、トランプ新大統領には、米国の新しいタイプの統治者として、整合性のある政策を打ち出していただくとともに、力強い米国経済の実現に向け、強力なリーダーシップを発揮されることを強く期待する。

 わが国政府には、強固な日米同盟・協調関係の一層の発展を視野に置き、トランプ新政権と緊密な連携を図っていただくとともに、自由貿易の意義と価値を粘り強く訴え続けていただきたい。

以上