会頭コメント

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「未来への投資を実現する経済対策」の閣議決定について

平成28年8月2日
東京商工会議所

 本日、「未来への投資を実現する経済対策」が閣議決定された。財政制約のある中で、当面の需要喚起にとどまらず、日本再興戦略などに盛り込まれた「持続的な経済成長を実現する施策」を前倒しに実行する姿勢が示されたことを歓迎する。
 わが国の最重要課題は、0.3%にまで落ち込んだ潜在成長率を高めることであり、資本蓄積、労働力投入、生産性向上を推進し、外的ショックに耐性のある成長基盤を構築しなければならない。同時に、わが国の付加価値額の約半分は三大都市圏以外の地方で産み出されることから、潜在成長率を底上げするためにも、各地域の資源を最大限に活用し、地方創生を実現することが不可欠である。
 今回の経済対策には、一億総活躍プランの加速化につながる施策、地方創生や観光振興等に直結するストック効果が高い21世紀型のインフラ整備、中小企業の生産性向上支援など、わが国の持続的な成長に寄与する対策が数多く含まれている。また、私はかねて、国内消費の低迷の本質的な原因を検証し、その対策を講じることが必要と申し上げてきたが、経済対策の中に、これまでの消費喚起策の効果を検証し、今後の在り方を検討することも盛り込まれた。これらの点は潜在成長率を引き上げる本質的な対策として高く評価したい。さらに、熊本地震や東日本大震災からの復興についても万全を期す姿勢を示したことも心強い。
 一方、経済対策に最低賃金についての記述が含まれているが、今回の引き上げ額については、景気や経営実態を十分反映したものとは言い難い。今後、取引価格の適正化など中小企業の経営への適切な配慮を期待するとともに、中央最低賃金審議会における議論の在り方等についても検討することが望まれる。
 商工会議所としても、成長の主役である中小企業の生産性向上・経営力向上、農林水産業・観光関連産業の育成や、中堅企業の強化等による地域経済の底上げ・好循環の確立に、引き続き、尽力していく所存である。

以上