会頭コメント

会頭コメント

「骨太の方針ー第2弾」について

2002年6月21日
東京商工会議所

 基本方針で「経済社会の活力」を高めることを大原則に掲げていることは評価したい。しかし、税収や財政バランスを強く意識しているため、実行段階では目的の達成が危ぶまれる。
 我々はかねてから、デフレを克服し経済を持続的な成長軌道に乗せることが最優先課題であり、構造改革も緊急かつ必要な改革から順次すすめていくべきであることを強く主張してきた。とりわけ税制は経済社会の活力を増進するための極めて有効な手段であり、基本方針においても「活力」を税制改革の原則としているにもかかわらず、例えば政府税調の基本方針ではその趣旨が十分活かされているとは言えない。特に中小企業の9割以上が増税となる外形標準課税の導入をすすめようとしていることは極めて遺憾であり、到底納得できない。日本経済の根底を支える中小企業が厳しい経済情勢の下で苦しんでいる今、さらに追い詰めるような新たな税制には断固反対である。
 また、社会資本整備に関しては、公共事業のバラマキを改めるべきは当然であるが、地方の個性ある活性化や都市再生に資するなど、当面の景気浮揚にも効果あり、経済活力の強化に役立つ分野には緊急かつ重点的に投資すべきである。さらに、経済活性化戦略として「構造改革特区」の導入が盛り込まれたことは、新たな市場創造を促すことへの期待も大きいので、構想を具体化するための枠組みを早急に示してもらいたい。
 いずれにせよ、経済活力を高める先行減税の実施や、追加的な財政支出も視野に入れた柔軟かつ大胆な経済運営を行い、デフレを克服し経済活性化を成し遂げて欲しい。商工会議所としては、従来からの考えを引き続き強くお願いしたい。

以上