会頭コメント

会頭コメント

参議院議員選挙の結果について

2025年7月21日
東京商工会議所

 このたびの参議院議員選挙は、わが国経済が長期にわたる停滞を乗り越え、持続可能な成長軌道への転換を確実なものとするうえで、極めて重要な選挙であった。

 国民の選択により、物価高への不満や新興勢力の台頭を背景に、与党は大幅に議席を減らし、参議院において過半数を割り込む厳しい結果となった。自由民主党および公明党は、この民意を真摯に受け止めるべきである。

 今後、政局の流動化は避けられないが、政治の安定なくして持続的な経済成長は望めない。連立の枠組みがいかなる形となろうとも、政権与党には、民意を真正面から受け止め、内外の信任を得るに足る新たな政治体制を構築していただきたい。その上で、建設的な国政運営を通じて、国内外に山積する諸課題に対し、不退転の決意で取り組んでもらいたい。責任ある政権の継続こそが、わが国の経済社会の持続的な発展に不可欠である。

 わが国が成長と分配の好循環を実現し、人口減少下においても持続可能な社会経済を構築していくためには、短期的な物価・需給対応にとどまらず、中小企業の稼ぐ力の強化をはじめ、構造改革を伴う中長期的な政策の着実な実行が不可欠である。

 とりわけ、経済安全保障、地域の活力再生、労働力確保・生産性向上といった基盤整備、および社会保障制度の再構築には、一貫性と継続性のある取組が求められる。新たな政治体制のもと、こうした課題に果断に取り組むことを強く期待する。

以上