会頭コメント

会頭コメント

第50回衆議院議員選挙の結果について

2024年10月28日
東京商工会議所

 この度の衆議院議員選挙は、わが国が停滞を脱し、成長ステージに向かうための転換点として極めて重要な選挙であった。

 結果としては、政治資金問題などに端を発した自民党への支持率低迷により、自公両党でも総議席の過半数を割る大変厳しい結果となった。自民党は真摯にこれを受け止め、政治資金の透明性を高めることはもとより、政策の実現を通じて国民の信頼を回復していただきたい。

 今後は政局となるが、政治の安定なくして持続的な経済成長はあり得ない。連立与党の枠組みがいかなるものであれ、新政権は安定的な体制の下で中長期的なわが国再生の道筋を描き、まずもってデフレ経済からの完全脱却、成長型経済への転換を確実なものとするべく、不退転の決意で臨むべきである。

 特に、全企業数の99%を占め、雇用の7割を担う中小企業の強化と急激な人口減少に直面する地域経済の再生・活性化への取り組みは、成長に至る両輪である。これなくして継続的な賃上げを伴う経済の好循環は実現できない。政権与党にはこれらを主要政策の柱として据え、新たな成長戦略の構築と実行に取り組んでいただきたい。

 その他、経済活動の基盤である安価で安定したエネルギー供給、安全保障、少子化対策、社会保障改革といったわが国の根幹にかかわる重要政策については、継続性をもってこれを前進させていただきたい。

以上