会頭コメント

会頭コメント

日銀短観について

2000年7月4日
東京商工会議所

企業の業況判断にさらなる改善がみられることは歓迎すべきことであり、特に設備投資の改善に進展がみられたことは、民需主導の本格的な景気回復に向けて第一歩といえる。企業収益の改善傾向も明るい材料であり、一方で失業率も下げ止まり傾向がみられるが、ただこれらが今後個人消費の回復につながるかどうかの判断はやや尚早だと思う。

ゼロ金利政策解除については、まだデフレ懸念を払拭できるような状況になく、中小企業に限らず未だ経営体質が弱い企業が多い中、金利引き上げはマイナスのインパクトが大きいと思う。また、いたずらに解除を急げば景気回復の足を引っ張ることにもなりかねない。確実な回復を見定めない限り、ゼロ金利政策の解除には慎重な判断が必要だ。

いずれにせよ、政府においても景気回復傾向を安定した軌道に乗せるべく、補正予算の編成など機動的な経済運営に万全を期してほしい。

以上