「国の防災・減災対策に関する重点要望~レジリエントな都市の構築に向けて~」について
東京商工会議所
地域振興部
東京商工会議所(三村明夫会頭)は、災害対策委員会(委員長:中山泰男特別顧問・セコム株式会社会長)において、標記要望を取りまとめましたのでお知らせします。
一昨年に公表された富士山噴火時の降灰の影響に関する報告書では、東京においても道路の通行支障や鉄道の運行停止、停電等様々な被害が生じるとされており、23区内の企業からも懸念の声が寄せられる一方で、対策は進んでいない状況です。このような状況を踏まえ、本要望では、富士山噴火への対策について初めて要望します。
あわせて、流域治水、広域避難の推進など激甚化・頻発化する風水害への対策や「首都直下地震」の新たな被害想定(今年5月公表)を踏まえた対策、BCP等自助・共助の活性化、迅速かつ効果的な情報収集・共有に向けたデジタル活用等について要望しています。
今後、内閣府・国土交通省等の関係先に対して本要望の実現を働きかけていくとともに、引き続き関係省庁等とも緊密に連携し、首都圏・東京における企業の防災・減災対策促進に向けて取り組んでまいります。
要望の概要
<基本的な考え方>
・レジリエントな都市「東京」の早急な構築のため、「自助・共助」の取組み底上げによる、強靭なサプライチェーン「強い輪」の構築が必要。
・「公助」は広く国民に便益をもたらす取組、真に必要な取組に重点化を。
・民間の知恵と工夫を活用した、官民連携による取組みが不可欠。
<国への要望事項>
Ⅰ.重点要望項目
【新】1.富士山噴火の被害・課題の速やかな提示
―地震や水害と比べると企業の対策は進んでいない。
企業が対策を検討できるよう、想定される被害と課題の速やかな提示を要望。
2.賑わい形成を梃子とした流域治水、広域避難・垂直避難等の推進
―高規格堤防等の整備と民間の河川活用を促進する制度の展開、広域避難・垂直避難等大規模風水害対策の着実な実施 等
3.新たな被害想定を踏まえた首都直下地震対策の展開
―交通・物流ネットワークの強靭化、電力・通信の確保、実効性ある帰宅困難者対策の推進、中小ビル・木造住宅密集地域対策、エレベーター閉じ込めに備えた対策等
4.企業等の自助・共助の活性化、公助における民の力の活用
―BCP策定・訓練の促進企業や地域の防災力向上に資するリーダー人材育成、発災時における民間企業のノウハウ・資源の活用 等
5.迅速かつ効果的な情報収集・共有の実施
―防災対策におけるデジタル活用、防災情報の活用における官民連携促進、防災産業の育成
Ⅱ.継続要望項目
・レジリエントなまちづくり(陸・海・空の主要な交通施設の強化 等)
・迅速な復旧・復興活動に向けた体制整備(TEC-FORCEの機能強化 等)
・防災・減災に対する社会的意識の向上
(複合災害にも備えた避難所等の生活環境の改善・確保 等)
東京商工会議所
地域振興部都市政策担当
担当 清水、福島、三田、長澤
TEL 03-3283-7621