会頭コメント

会頭コメント

「安心と成長の未来を拓く総合経済対策」の閣議決定について

2019年12月5日
東京商工会議所

 本日、「安心と成長の未来を拓く総合経済対策」が閣議決定された。当面の需要喚起にとどまらず、東京オリンピック・パラリンピック後も持続可能な経済成長を実現すべく、15か月予算の編成がなされたことを歓迎する。

 近年激甚化する自然災害からの国民の安全・安心を確保するため、台風15号および19号からの復旧・復興とともに、防災・減災など国土強靭化に思い切った対策を打ち出されたことは、大変心強い。ワイズスペンディングの考え方を貫き、着実な対策の実行を期待する。

 わが国の最重要課題は、1%前後にとどまる潜在成長率を高めることである。デフレ脱却と経済再生への道筋を確実なものとするためにも、中小企業の活力強化が不可欠である。今回の経済対策には、深刻化する人手不足が大きな課題となる中、中小企業における生産性向上のための環境整備やIT・デジタル技術の導入促進・実装といった課題解決に向けた支援策が盛り込まれていることは、評価したい。

 一方、中小企業が賃上げや被用者保険の適用拡大に対応していくためには、生産性向上だけでなく、大企業との共存共栄関係の構築による取引価格の適正化などにスピード感をもって取り組み、中小企業がより付加価値を生み出すことで、賃上げなどに自ら対応できる環境を整備していくことが不可欠である。

 商工会議所としても、民需主導の持続的な経済成長の実現に向けて、政府と連携し、中小企業や地域の挑戦を強力に後押ししてまいりたい。

以上