会頭コメント

会頭コメント

「成長戦略実行計画」、「骨太の方針2019」の閣議決定について

2019年6月21日
東京商工会議所

 わが国を自律的な成長に導くための戦略の一つとして、「中小企業・小規模事業者の生産性向上」を盛り込んでいただいたことを、高く評価している。特に、デジタル技術の実装支援、経営者保証における保証料負担の軽減、取引関係の適正化等は、人手・後継者不足、生産性低迷に悩む中小企業・小規模事業者にとって大変心強い。

 また、骨太の方針に盛り込まれた、観光や農林水産業の活性化に向けた各種施策は、地域における域外需要の獲得と経済の好循環を促し、地方創生の実現に弾みをつけるものとして期待できる。
  
 最低賃金については、「より早期に」という表現はあるものの、中小企業が賃上げしやすい環境整備に積極的に取り組むことが前面に出されているとともに、具体的な目標年次や引上げ率が示されていないことから、我々の主張が一定程度取り入れられたと思う。今後行われる最低賃金の審議では、足元の景況感や物価動向、賃上げ率など中小企業の経営実態を考慮することにより、納得感のある水準を決定すべきことを改めて主張する。

 人口減少や少子高齢化が急速に進展する中、社会保障に対する国民の不安は極めて大きくなっている。2022年には団塊の世代が後期高齢者となり始めることも踏まえ、今こそ、世代間のバランスや応能負担の視点に立った、「人生100年時代」における持続可能な全世代型社会保障制度の構築に向け、真正面から議論いただきたい。

以上