復興に尽力した渋沢栄一から学ぶ
逆境の時こそ、力を尽くす

1923(大正12)年9月1日、甚大な被害をもたらした関東大震災の発生から、今年で100年。リスクが多様化・複合化している現代において、経営者に求められるリーダーとしての役割や行動とは、どのようなものなのでしょうか。自らも被災しながら、復興のために尽力した渋沢栄一から、そのヒントを紐解いてみましょう。


関東大震災から100年、震災の時に復興に尽力した渋沢栄一

1899(明治32)年
東京商業会議所 建物竣工

 1923年9月1日、マグニチュード推定7.9の地震が首都圏を襲いました。南関東から東海地域まで広範囲で被害が発生し、死者数は10万5,385人、倒壊や火事で失 われた家屋は29万3,387棟に上ると言われています。
 東商の初代会頭である渋沢栄一も、日本橋兜町の事務所で被災しました。当時83歳だった渋沢は、その身を案じた息子たちに故郷の血洗島(埼玉県深谷)へ避難するよう勧められます。しかし「わしのような老人は、こういう時にいささかなりとも働いてこそ、生きている申し訳がたつようなものだ」と叱りつけ、東京に残ることを決意しました。
 自ら被災しながらも、すぐに支援に立ち上がった渋沢。発災から10日後には、義援金を募るために、東京商業会議所(現在の東商)の建物内に「大震災善後会」を設置しました。国内だけでなく、アメリカの実業家との人脈も駆使し、資金の援助を呼び掛けました。
 こうして集まった義援金は、孤児院や労働者のための託児所の設置・再建補修、被災外国人への支援など多くの事業に充てられました。また、渋沢は救護活動の現場に足を運び、励ましの言葉を忘れずにかけていたそうです。
 『渋沢栄一訓言集』で渋沢が述べている「逆境に処しては断じて行え。決して惑うてはならない」という精神は、まさに関東大震災で発揮されました。危機に直面した時に経営者がリーダーとして求められるものは、「逆境の時こそ、力を尽くす」ことにヒントが隠されているのではないでしょうか。

開催イベントのお知らせ

関東大震災100年特別シンポジウム
「復興に尽力した渋沢栄一と現代のリーダーに学ぶ」


開催日
9月7日(木)14:00~15:45
場所
東京商工会議所ビル5F 渋沢ホール >アクセスマップはこちら
料金
無料
概要
基調講演とパネルディスカッションの2部構成。
第1部では、作家の守屋淳氏が登壇し、関東大震災で復興のために尽力した渋沢栄一について解説。第2部では、震災当時から今日まで事業を継続している老舗企業の経営者から事業継続の秘訣を紐解き、危機事象が発生した時に求められるリーダーとしての役割や行動を探求します。
お申込み


関東大震災100年 特別パネル展


開催日
8月30日(水)~ 9月6日(水)
場所
東商ビル1階 多目的スペース >アクセスマップはこちら
料金
無料・事前申込不要
概要
関東大震災の被災状況や、復興に尽力した渋沢栄一の行動を写真や資料で振り返り、その経験と教訓を、新たな災害への備えにつなげます。

東京都 事業所防災リーダーのご案内

あなたの事業所、防災リーダーはいますか?

事業所防災リーダーとは、東京都から店舗・企業等の皆様に対して、日ごろの防災情報や発災時の災害情報を直接お届けするサービスです。
大地震等の発生時、企業等では従業員の安全確保や、一斉帰宅の抑制等による混乱防止が大変重要です。また、風水害の発生リスクや被害に対する備えも必要です。
 職場での万が一に備えるため、職場の防災対策を推進する「事業所防災リーダー」にご登録いただき、従業員の方やお客様の安全確保、BCP(事業継続計画)等にお役立てください。




お問い合わせ
東京商工会議所 地域振興部 都市政策担当 03-3283-7621