政策提言・要望

政策提言・要望

東京とわが国における観光振興に関する意見について

2016年4月14日
東京商工会議所
地域振興部

 東京商工会議所(三村明夫会頭)は、本日開催の第682回常議員会において、観光・まちづくり委員会(委員長:佐々木隆副会頭・ジェイティービー相談役)がとりまとめた標記意見書を別紙の通り決議しましたのでお知らせします。

 政府は、本年3月、「明日の日本を支える観光ビジョン」を策定し、現在、同ビジョンを踏まえた「観光立国実現に向けたアクション・プログラム」のとりまとめを行っています。

 今回の意見では、観光が成長戦略・地方創生の切り札であるとの認識のもと、「インバウンド」の更なる成長と観光全体の8割を占める「国内観光」の促進を両輪として、観光産業の「稼ぐ力」を高めつつ、観光立国の実現を図ることが必要であるとの基本的考え方を示しました。

 具体的事項としては、3つの柱から意見をまとめており、特に文化芸術と観光の相互発展の推進や観光産業の人手不足への対応を求めているほか、インバウンドについては「早急に取り組むべき事項」と「2020年に向けて着実に取り組むべき事項」を整理した上で、受入環境整備を大きく前進させることが必要と意見しております。

 今後、政府をはじめ関係各方面に提出し、意見内容の実現に向けた働きかけを行ってまいります。

【意見項目(抜粋)】

Ⅰ.「インバウンド」と「国内観光」の両輪による総合的な観光振興の促進
 1.国内外の人々を惹きつける魅力あるまちづくり(まちあるきを楽しめる都市空間の整備等)
 2.文化芸術と観光の相互発展の推進(文化芸術資源を活用した観光振興の推進、文化芸術の拠点整備等)
 3.インバウンドの更なる成長に向けた「受入環境整備」と「地方分散」の推進
  ・現下の訪日外国人旅行者の急増に対応する受入環境整備(宿泊施設、CIQ、安心・安全、貸切バス、ガイド、通信環境)
  ・2020年に向けて着実に取り組むべき受入環境整備(空港、航空ネットワーク、クルーズ、ビザ緩和、多言語対応等)
  ・戦略的な訪日プロモーションの展開(多様な国からの誘客等)
  ・日本人による海外旅行の促進(パスポート取得費用減免等)
 4.国内観光の活性化に向けた戦略的取り組み(新たな旅行ニーズの掘り起し、若者の旅行体験の促進等)

Ⅱ.観光産業の「稼ぐ力」を高め、真の基幹産業へ
 1.観光産業の「稼ぐ力」の強化と人材の育成・確保
  ・観光産業の生産性向上
  ・ショッピング・ツーリズムの振興
  ・観光関連産業への投融資拡大
  ・観光人材の育成と確保(産学連携による人材育成、外国人留学生の活用、日本版DMOの人材育成等)
 2.規制・制度改革の推進
  ・地域資源の活用・観光産業の担い手確保に向けた規制緩和(留学生の就労ビザ要件の緩和等)
  ・新たな観光ニーズに対応する法制度の整備(民泊の仲介サイト事業者に関するルール整備等)

Ⅲ.観光立国の実現に向けた推進体制の構築・強化
 1.観光振興に関する予算の拡充
 2.観光関係省庁及び国と地方自治体の更なる連携強化
 3.持続的な観光地経営の実現に向けた日本版DMOの形成支援

東京とわが国における観光振興に関する意見

以上
【本件担当・問い合わせ先】

東京商工会議所
地域振興部
担当 小島・渡邊
TEL 03-3283-7658