政策提言・要望

人口政策に関する意見書「合計特殊出生率2.07に向け、国の総力を挙げて取り組みを」

平成25年5月9日
東京商工会議所
産業政策第二部

東京商工会議所(岡村正会頭)は、人口政策委員会(前田新造委員長:特別顧問・株式会社資生堂会長兼社長)において、標記意見書を別紙のとおり取りまとめました。
本意見書では、労働力不足は経済活力や社会保障制度の持続可能性を低下させる懸念があるため、少子化対策が必要であるといった考えの下、若い共働き世帯への現物給付に重点を置き、「働きながら結婚し、産み、育てる」機運を高めること、人口維持に必要な合計特殊出生率を目標に掲げ、施策を組み合わせて取り組むこと等を求めております。
今後、政府・政党をはじめ関係各方面に提出し、意見内容の実現に向けた働きかけを行っていきます。
本意見書の概要は以下のとおりです。

【意見書概要】

Ⅰ 出会いから結婚、出産に踏み出す若い世代への取り組み強化を

1.経済的基盤の強化等により結婚や出産への障壁の克服を
 ・20代~30代の若い世代を優先し、職業能力開発や就労支援の思い切った取組強化が重要。
 ・最低限必要な出産費等は、すべて公費で、かつバウチャー(使用目的を限定した引換券)を含む現物給付とし、経済的な不安を軽減することが重要。
 ・未婚者が独身でいる理由として「交際機会がないこと」が挙げられており、婚活支援へのニーズは高い。政府には、自治体等が行う取り組みへの支援を。

2.妊娠・出産を躊躇させない医療体制等の整備を
 ・産科・小児科医の確保、夜間診療体制の確立等、医療体制の整備を。妊娠に関する専門的かつ正確な情報を提供することも不可欠。
 ・ニーズの高い不妊・不育治療費を、年齢や回数など一定の要件のもと無償化にすることや、無痛分娩費への助成を検討することが必要。


Ⅱ 社会で幅広く子育て家庭の支援を

1.一刻も早く待機児童ゼロの実現を
 ・限られた財源では、現金給付から保育サービス利用のために直接使われる現物給付へシフトし、問題が深刻な地域や、働きながら子どもを産み、育てる世帯に集中投下することが必要。

2.地域で子育てを支えることが重要
 ・政府には、地域の子育て拠点(事業所内保育施設等)への助成拡充や、好事例・ノウハウの紹介等を通じて、地域特性に応じた企業や自治体の取り組みの後押しを。


Ⅲ 人口水準維持のための基盤整備を

1.ライフデザイン教育、意識啓発が必要
 ・幼少期より家族形成意識をはぐくみ、発達段階に応じて人生観や職業観を養い、国民一人ひとりがライフデザインを描くことができるような教育の必修化が必要。

2.ワーク・ライフ・バランスの促進
 ・ワーク・ライフ・バランスを企業に根付かせるためには、生産性を向上し、企業の収益力を高め、従業員の待遇や士気の向上につなげることにより、生産性をさらに向上させる好循環の実現を目指すべき。

3.子育て費用は自助・公助で
 ・子育て費用負担は、共助から公助の観点へと見直し、安定的に財源を確保することが必要。事業主負担(児童手当事業主拠出金)は、消費税引上げにより順次削減し全廃を。

以上

【本件担当・問い合わせ先】
東京商工会議所
産業政策第二部
担当 小菅、米村、上條
TEL 03-3283-7940
FAX 03-3213-8716