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<エネルギー・環境委員会>
環境ビジネス展開支援 事例紹介

環境ビジネス展開支援 事例紹介

企業基本情報

事業者名
株式会社浅川製作所
所在地
【本社】東京都葛飾区青戸7-1-22
【佐久工場】長野県南佐久郡佐久穂町札寺1955
主な事業内容
亜鉛合金製・アルミ合金製非鉄金属製品の鋳造・加工生産・金型設計製作
代表者
【本社】会長 浅川弘人、社長 浅川敬吾
【佐久工場】取締役工場長 専務 吉沢忠久
従業員数
90名(本社・工場併せて)
創業年
昭和26年
資本金
4,000万円
URL

長きにわたり培った技術と経験を活かし、徹底した品質管理と環境配慮を両立

生産現場での効率化・省エネによるコスト削減と働き方改革の両方を実現 ~ISO9001、ISO14001 取得済~


電気使用量の削減 ~複数の取り組みを組み合わせてピーク時の使用電力量を抑制~

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当社では、長野県佐久穂町の工場で省エネルギーに取り組んでいます。
工場内では、水銀灯を使用した照明設備を採用していましたが、国の助成金制度も活用して全ての照明設備をLED照明に切り替えました。亜鉛合金(400℃)やアルミ合金(700℃)を溶解して鋳造加工する際の温度が高温のため、その排熱でLED照明がダメになることもありましたが、現在は専門業者と協力し、照明の配置などを工夫することで改善することが出来ました。
また、工場内で稼働している機器の電力使用状況を把握するため、デマンドをコントロールする仕組みを導入しました。最大デマンドを把握・抑制することで、基本料金の設定を抑え、電気料金の削減を実現しました。
さらに、当社は金属を加工する際やメッキ処理の前の脱脂工程やスプレー、ドライバーなど全ての工具などの動力は以前、全ての生産の負荷に耐えられる様に、大型のコンプレッサー機1台で稼働運用していました。性能は申し分ありませんでしたが、稼働させるためのエネルギー消費量が大きかったことが料金抑制のネックでした。そこで以前の性能の半分程度の機械を2台導入することで、生産負荷に合わせて運用出来る様になり、省エネルギー化を実現することが出来ました。 現在はこれらの取り組みに併せ、デマンドコントロールの基準を420kWhから380kWhに引き下げても、警報が鳴らないレベルにまで省電力化を実現することで電気料金の削減が出来ました。


空調のエネルギー使用量の削減 ~立地条件や事業内容等の特徴をフル活用~

工場内には空調設備が完備されており、季節に関係なく快適な気温を保つことが出来ますが、ご存知の通り、空調設備の運用はかなりの電力を必要とします。
当社の生産拠点である長野県佐久工場では、夏場は長野特有の内陸性気候と海抜850メートルの立地条件を活かし、涼しい外気を取り込んで場内の空調管理を行っています。一方、寒さの厳しい冬場は、製品を生産する過程で発生する排熱を有効活用しています。(亜鉛やアルミなどの非鉄金属を加工するためにおよそ400℃~700℃くらいまで熱する必要があります。)
工場の立地条件や事業内容ならでの特徴を上手に活かすことで、年間の空調管理費を大幅にカットすることが出来ました。


従業員の意識・働き方も変化 ~省エネはその他の経営課題も解決~

当初、現場では、良い製品を作るために熟練の職人が毎日遅くまで残業して徹底的に品質にこだわっていました。省エネを推進しつつ、会社の技術を活かし最高の「ものづくり」をするためにはどうすれば良いか。これが一番のネックでした。
これらの取り組みを進めるにあたり、時には生産管理部門と生産現場が言い争って対立したりしたことがありましたが、今は社員全員が一丸となることで問題点を改革し達成することが出来ました。
現在では残業や休日出勤を必要最小限にとどめた業務体制を構築することができ、社内の省エネだけでなく、従業員の生産性向上を通じた働き方の改善、人件費削減にもつながっています。

メッセージ

・「金型から出来るもの」:「材料問わず」の「ものづくり」をしています。
・メッキや塗装は鋳造肌が重要、表面の肌は湯じわ、巣穴などがあっては表面の膨れが出ます。美観上の問題のみならず機能面でも合格品とは言えません。ピンホールや湯じわは研磨など後加工では殆ど解決出来ません。
・それらを解決する金型づくり、鋳造技術、加工技術を得意としています。創業からの伝統工芸品の美の感性を工業分野でも確立しています。何でもご相談ください。
・一方で、従業員も含め全社一体となって省エネを進め、自慢の品質を落とさずに「働き方改革」を成し遂げました。更なる省エネの実現に向け、今の流れを崩すことなく継続して取り組んでいきたいと考えています。