第3回 プレスリリースの基本構成
今回は、プレスリリースの基本構成について説明します。
タイトルにインパクトを
プレスリリースの命とも言えるタイトルの付け方は、皆さん頭を悩ませるところでしょう。報道関係者とリリースを通じてコンタクトしていく際に、結論を急ぐように「要は何なの」「ポイントは何なの」と聞かれることがよくあります。タイトルはこの問いにあらかじめ答えるつもりで考えてみると良いでしょう。広告のキャッチコピーではありませんから、あまり凝った表現を使う必要はありません。商品やサービスの良いところや伝えたいポイントを、最も短く伝える表現を探すとうまくいくことがあります。
リード文でまず要点を
プレスリリースの書き方の特徴は、「結論を先に書く」ということです。リリースを受け取った記者が取材開始の判断がすぐ下せるように、文頭に「誰が、いつ、何を、どこで、何故、どうやって」という5W1Hをおさえたリード文を置きます。リード文では、発表する企業・団体が主語となり、テーマである商品やサービスが目的語になります。「○○会社(所在地:○○、代表:○○)は、○月○日から、○○な○○の発売を開始します」と書くことで、ニュースを伝えていく上で必要となる5W1Hの六つの要素が簡潔に伝わります。
本文で詳細を
続く本文では、リード文の中で目的語となっていた「△△な△△」を主語にして、「今回発売する△△な△△は…」と書き出し、伝えたい商品やサービスの特徴を説明します。文章の基本と言われる「起承転結」ではなく、「結、起承転」の順番に情報を並べておけば、記者が途中で読むのをやめても内容が伝わります。
また、本文には、リード文の5W1Hに、さらにもう一つのH、すなわち「How much」を加えると効果的です。
本文の後には、参考になるような詳細情報や、背景資料を付加することも有効です。
結論を先に
記者というのは忙しい人種です。最後のページまで読まないと内容がわからないリリースは、記者にとって不親切な資料と言うことになります。タイトルで大方の内容を伝え、リード文でほとんどの内容が分かるリリースは、記者にとってありがたいリリースです。途中で読むのをやめても要点が伝わるのが大きなポイントとなるのです。
最後に、リリースを受け取った報道関係者から確認の連絡を受けられるよう、問い合わせ先の情報を入れることも決して忘れないでください。
(共同通信PRワイヤー 楠田和男氏)
【東商新聞8月10日号にも掲載】