スペシャルインタビュー #01

安岡 裕紀

中小企業の意見を基に
国や都に政策提言を行う

行政への政策提言・要望提出


クリーンエネルギー戦略に関する要望など

政策部門 
産業政策第二部 環境・エネルギー担当

安岡 裕紀

国や東京都が実施する環境・エネルギー政策について、中小企業の意見を反映した政策を実施いただけるように、政策提言を行う仕事をしています。

直近では、政府が掲げる「2050年カーボンニュートラル」を達成するためにはどういった戦略が不可欠なのか、またその戦略に必要な財源をどこから取ってくるかといった議論がトピックでした。

こういった議論に対して東商では、カーボンニュートラル政策の方向性そのものには賛成するものの、足元のエネルギー価格高騰といった影響を受けている中小企業の経営に支障が出ないよう、また経営資源が限られていてビジネスの転換が容易ではない中小企業の実情等に配慮した制度設計にすべきである、といった内容の政策提言を行っています。政策提言の際には、「中小企業がどういった影響を受けることになるか」をしっかり意識することを心がけています。

2050年カーボンニュートラルの目標は必ず達成すべき地球規模の課題ですが、これによって企業の成長が妨げられることがあってもいけません。日本は経済大国で、エネルギー政策の基本は「S+3E(安全性+安定供給の確保・経済効率性・環境適合性)と言われており、企業の成長にはエネルギーの安定供給と安価で質の高いエネルギーが供給されることが国際競争力維持の観点からも大前提です。その上で、環境に配慮したビジネスに対応していくこと(環境適合性)が重要、という立場で環境・エネルギーに係る政策提言を行っています。

国の意思決定に関わる重要な役割

安岡 裕紀

東商という立場で政策提言を行うことの何よりの醍醐味は、上流の段階で国の意思決定に関与できるということです。国の政策は最初の方針決定が全ての基本となり、その大まかな方針を基に、法改正・予算編成等が各省庁にて実施されていきます。各省庁がより具体的な制度設計や予算要求に向けて動き出す、その前段階の国の大きな方向性を決める場に関与できる仕事は、日本中どこを探してもほとんどないと思っています。こうした大きなやりがいを感じられる一方で、限られた審議時間の中で我々の主張を伝えるという仕事は、決して簡単なことではありません。論点を絞り、効果的に政策に反映してもらえるような提言ができるよう工夫が必要です。

また、政策提言の仕事を行うにあたっては、何より現場を知っておくことが非常に重要だと思っています。委員会をはじめ、様々な会議等の場でご一緒させていただいている多くの企業と意見交換をしたり、現場視察に行ったりして、リアルな現場を学ぶことが不可欠です。

少し前に、原子力再稼働に関する現場を学ぶために、北陸地方にある原子力発電所へ視察に行きました。企業の成長を後押しする安価で経済効率性に優れたエネルギー供給のためには、原子力の活用も不可欠であり政策提言でもそういった主張を行ってはいますが、地元の原子力に対する捉え方や東日本大震災後の再稼働に向けて電力会社がどういった安全対策を現場で行ってきたのか、現在進行形で行っているのか、東京のオフィスにいては到底知り得ない現場のリアルを知ってはじめて、政策提言の内容に責任と説得力を持たせることができるのではないかと考えています。

プロジェクトメンバー紹介

安岡 裕紀

政策部門 
産業政策第二部 環境・エネルギー担当

安岡 裕紀

Q1.入所のきっかけは?

企業を支援しつつ、国や都へ中小企業の生の声を届けることができることが入所のきっかけです。

安岡 裕紀

Q2.東商の魅力とは?

前職は国家公務員として勤務しており、施策に係る制度設計や補助金の予算要求・執行等に携わっていました。東商では政策提言という仕事を通じて、個別の制度設計の前段階、いわゆる「上流工程」に関与できるため、今では公務員時代の仕事以上に魅力を感じています。

現在の部署では、前職の経験を生かしながら政策提言の仕事をさせてもらっていますが、将来的にはジョブローテーションを通じて、さまざまな部署の仕事を経験し、知見を深めていきたいと思っています。

Q3.休日の過ごし方は?

休みの日はジムやランニングなど、身体を動かしていることが多いです。アフターファイブに身体を動かして気分転換すること、しっかり睡眠時間も確保するといったことにより、ワークライフバランスも大切にしながら、仕事に取組めています。

Q4.東商はどんな職場ですか?

一言でいうと、風通しの良い職場です。

事業者との接点が多いからか、人当たりの良い方が多く、みなさん穏やかです。職員間での連携も取れていて、コミュニケーションも円滑だと思います。あと、明るくて前向きな人が多い印象です。中小企業の経営支援といった振興業務がメインであり、前向きな仕事に携わっているということがいい影響を与えているのかもしれません。入所前は公的機関のようにお堅いイメージを抱いていましたが、全くそういったことはなく、若手の意見も反映されやすい職場だと思います。

また、各企業の会長や社長など経営トップの方とお話しできる機会が多いので、経営者の方達の考え方とか、マインドに触れられる貴重な経験をさせていただく機会が多いように感じます。これは、まさに東商ならではの魅力かもしれません。

学生・求職者へのメッセージ

1つだけ。就活って自分は企業に選んでもらう側だと思ったりもしますが、

謙虚な気持ちは大事にしつつも、謙虚さの中に自分の自信や強い意志を持って、

「自分がしたい仕事は何なのか、それを自分が決める、選ぶ」

というスタンスを大切に、頑張ってほしいです。