東商の活動

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セミナー「簿記・銀行・製紙をめぐる明治初期の制度と実務-渋沢栄一と得能良介」を開催しました

2024年2月6日
東京商工会議所
広報部経済資料センター
渋沢栄一と得能良介の対立について語る小林講師

渋沢栄一と得能良介の対立について語る小林講師

 東商は6日、初代会頭である渋沢栄一の精神を広く啓発することを目的に、セミナー「簿記・銀行・製紙をめぐる明治初期の制度と実務-渋沢栄一と得能良介」を開催しました。天候の影響で急遽オンラインでの開催に変更し、90人が参加しました。
 講師の東京都立大学経済経営学部准教授の小林延人氏は、明治初期の近代制度導入における渋沢の功績について、初代印刷局長であった得能良介との対立・協調関係に焦点を当てながら解説しました。
小林氏は、洋式簿記の導入をめぐって両者が口論になったことに触れ、その理由を「制度設計者である渋沢と現場統括者である得能の実務上の意見対立があった」と説明。また、得能に近い薩摩系勢力と渋沢ら開明派官僚の政治的対立があったと分析しました。
第一国立銀行・抄紙会社(製紙会社)設立時の両者の関係については、銀行・製紙行政のトップである紙幣頭(しへいのかみ)の得能が、渋沢に強権的な態度をとり、渋沢はそれに対し粛々と対応しました。「官の立場としての制度設計と民の立場での経営実務の双方を経験していたことと、かつて対立した相手にも冷静になれるところが渋沢の強みであり、それが結果的に第一国立銀行への補助金助成や、抄紙会社への発注など、得能や政府からの部分的な協力につながった」と解説しました。

※本セミナーの動画(アーカイブ配信)を東商マイページ・イベントにて期間を設けて受付ております。ぜひご覧ください。

以上
【本件担当・問い合わせ先】

東京商工会議所
広報部 経済資料センター
担当 葛生、渡邊
TEL 03-3283-7690