東商けいきょう

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東商けいきょう 2023年4~6月期 結果(中小企業の景況感に関する調査)

2023年6月13日
東京商工会議所
中小企業部

 東京商工会議所(小林健 会頭)は、東商けいきょう(東京23区内の中小企業の景況感に関する調査)2023年4~6月期の集計結果をとりまとめましたので、お知らせします。

【調査要領】
▽期間:2023年5月15日(月)~5月25日(木)
▽対象:東京23区内の中小企業2,847社(回答数:1,096社(回答率38.5%))
▽項目:業況、売上、採算(経常利益)、資金繰り、民間金融機関の貸出姿勢
▽方法:WEBおよび経営指導員による聴き取り
▽従業員規模構成:5人以下:420社(38.3 %)、6~20人以下:287社(26.2%)、21~100人以下:270社(24.7%)、101人以上:119社(10.9%)

【 ~都内中小企業の景況感は、経済活動の活発化を背景に大幅改善。                 昨年度に設備投資を実施した企業は増加。約6%が生成AIを活用~】

~東商けいきょうの主なポイント~

都内中小企業の今期の景況感は全業種で大きく改善

◇業況DIは前期比20.2ポイント改善の7.7となった。2006年4-6月期の調査開始以来、初のプラス圏。経済活動の活発化を背景に大幅な改善に転じた。
◇業種別では、小売業が25.9ポイント改善の15.1、建設業は22.6ポイント改善の2.7、製造業は21.7ポイント改善の3.1となるなど、全業種でDI値が大きく改善した。
◇来期(7-9月期)の見通しは1.8ポイント悪化の5.9を見込む。原材料費・人件費等の度重なる高騰によるコスト増の影響を不安視する声が聞かれた。

<中小企業の“生の声”>(抜粋)
○原材料価格の高騰はあるものの、新型コロナの収束により、イベントやお祭り等が例年通り開催されるようになったことで、徐々に注文数が増え、売上の回復にもつながっている(小売業:和菓子製造小売)
○大型案件を受注し売上が増加したが、資材価格の高騰や人手不足による外注費増加のため利益は減少している(建設業:内装仕上げ)


<付帯調査 「設備投資の動向について」(「生成AIの活用状況」含む)>

◇2022年度に設備投資を「実施した」と回答した企業の割合は、前年度(2021年度)と比べ0.8ポイント増の36.2%となり、「実施しなかった」は0.8ポイント減の63.8%となった。
◇2023年度に設備投資を「実施する」と回答した割合は前年度と比べ2.0ポイント増の43.9%となり、「実施しない」と回答した割合は1.4ポイント減の36.9%となった。実施する目的では「更新や維持・補修」が49.5%と最も多く、次いで「生産性向上」44.3%、「生産能力増強」28.3%と続いた。
◇「ChatGPT」を含む生成AIの活用状況について、「活用している」と答えた企業が5.7%、「現在活用していないが、今後活用を検討している」と答えた企業が29.6%となった。生成AIを「活用している」企業では、「コンテンツ作成・校正(社内外向け文書、メール・挨拶文等)」に活用している企業が最も多く57.1%となった。「現在活用していないが、今後活用を検討している」と回答した企業では、「情報収集、リサーチ活動」における活用を検討している企業が最も多く58.0%となった。

<中小企業の“生の声”>(抜粋)
○他社の撤退に伴うシェア拡大対応のため設備増強を行った。今後は、生産・販売管理基幹システムの入れ替えを予定している(製造業:バルブ等製造販売)
○事業再構築補助金を活用して、店舗改装および厨房機器の更新を行った(サービス業:広告制作・飲食)


<付帯調査 「価格転嫁の動向について」)>

◇主たる取引先における価格交渉の協議状況について、「協議できている」は66.3%となった一方、「協議できていない」12.1%、「取引価格の維持や減額について協議を申し込まれた」2.5%となった。
◇直近6カ月におけるコスト増加分の価格転嫁について、4割以上の価格転嫁が実施できた企業は46.4%であった一方、「全く転嫁できていない」は20.1%となった。あらゆるコストの上昇に対して価格転嫁が追い付いていない状況。

以上
【本件担当・問い合わせ先】

東京商工会議所
中小企業部
TEL 03-3283-7643