東京商工会議所金融部会（部会長＝北山禎介副会頭・三井住友銀行会長）は7月15日、講演会を開催し、109人が出席しました。

当日は、講師に青山学院大学特任教授の白川　方明氏をお招きし、「日本経済の真の課題を考える」と題した講演をいただきました。

白川氏は、日本経済の現状について、「2000年以降15年間の平均で見ると、Ｇ７諸国の中で、15歳から64歳までの生産年齢人口における、一人当たり実質ＧＤＰ成長率が最も高いのは日本である」と説明。一方で、実質ＧＤＰ自体の成長率で見ると、日本は最も低いグループに属しており、趨勢的なＧＤＰ成長率を規定する最大の要因は、労働人口と労働生産性の伸びであると指摘。「一人ひとりは頑張っているが、生産年齢人口減少の逆風は強く、ＧＤＰ成長率は低いというのが過去15年間の日本経済の姿である」と述べました。

　また、日本経済の最大の課題について、「厳しい人口動態の現実を正確に認識する必要がある」と述べました。その上で、将来に亘って経済・社会の持続可能性を確保するために、「労働参加率の向上や出生率の引き上げ、規制改革や社会全体としての新陳代謝の向上を通じた生産性向上の取組み、さらには財政改革が不可欠である」と強調しました。
　参加者からは「日本経済の長期的課題がよくわかった」といった声が寄せられました。

今後も金融部会では、皆様のビジネスに役立つ情報提供をしていきます。