会頭コメント

会頭コメント

平成15年度予算財務省原案について

2002年12月20日
東京商工会議所

 来年度予算の財務省原案は、本年度に引き続き景気抑制型の緊縮予算を貫いている。多額の国債発行残高や税収減の中での予算編成の苦労は分かるが、個人消費の停滞や輸出環境の先行き悪化が懸念され、民需の盛り上がりは到底期待できない。加えて外形標準課税の導入や消費税の免税点引下げ、さらに所得税の課税最低限の引下げが、企業や消費者心理にマイナスに働くのは必至である。
 従って、いまは財政が支えなければ景気は一層悪化する恐れがあり、せっかくの先行減税の効果も減殺されてしまう。何よりも景気が回復しなければ、税収も一層落ち込み、金融機関の不良債権の増加が避けられず、構造改革も遅れてしまう。来年度は日本経済にとって正念場の年であるだけに、緊縮財政を続けるのは残念である。
 この上は、年明けには補正予算の早急な成立・執行はもとより、来年度予算の早期成立と執行により、切れ目のない経済運営を行うのは当然だが、景気の失速が現実のものとなる前に、機動的に対応できる準備を怠るべきではない。

以上