東商けいきょう

東商けいきょう イメージ画像

東商けいきょう 2024年1~3月期 結果(中小企業の景況感に関する調査)

2024年3月19日
東京商工会議所
中小企業部

 東京商工会議所(小林健 会頭)は、東商けいきょう(東京23区内の中小企業の景況感に関する調査)2024年1~3月期の集計結果をとりまとめましたので、お知らせします。

【調査要領】
▽期間:2024年2月9日(金)~2月22日(木)
▽対象:東京23区内の中小企業2,822社(回答数:994社(回答率35.2%))
▽項目:業況、売上、採算(経常利益)、資金繰り、民間金融機関の貸出姿勢
▽方法:WEBおよび経営指導員による聴き取り
▽従業員規模構成:
5人以下:396社(39.8%)、6~20人以下:260社(26.2%)、
21~100人以下:228社(22.9%)、101人以上:110社(11.1%)

【 都内中小企業の景況感は、プラス圏内を維持するも、一部業種では前期比マイナス。人手不足が深刻化する中、採用活動実施企業は5.8ポイント増加の53.2%】


■東商けいきょうの主なポイント
都内中小企業の今期の景況感は、2業種で前期比マイナス。来期は人手不足の影響受け慎重な見方続く

◇業況DIは前期比0.9ポイントマイナスの3.4となり、最高値を記録した2023年4-6月期以降、プラス圏内を維持したが、製造業、サービス業では前期比マイナスとなり、業種によって差が出る結果となった。
◇業種別では、サービス業が8.1ポイントマイナスの4.8、製造業が3.8ポイントマイナスの▲4.6と2業種でDI値が前期比マイナスとなった。一方で、小売業が8.7ポイントプラスの7.8、建設業が8.3ポイントプラスの13.5となるなど3業種でDI値が改善した。
◇サービス業(情報通信業)では、人手不足により案件に対応する人材を確保できず売上が伸び悩んでいるとの声が聞かれた。一方、小売業ではインバウンド消費に支えられて業績が好調で人通りも増えているといった声が聞かれた。
◇来期(4-6月期)の見通しは1.0ポイントマイナスの2.4を見込む。慢性的な人手不足でコストが増加している上に、営業活動に割くリソースが限られさらなる事業の拡大は難しいといった声が聞かれた。

<中小企業の“生の声”>(抜粋)
○新車の納期遅れやメーカーの不祥事による生産中止で、車検台数の増加・中古車市場が活性化し、部品需要が活発。仕入れ価格に対する価格転嫁ができているため、売上は伸びている(卸売業:自動車補修部品卸、従業員数:64名)
○人手不足で仕事があっても取りに行くことができず、賃上げ分の利益を確保することができない(サービス業:ソフトウェア受託開発、従業員数:85人)



■付帯調査 「採用の動向について」

◇正規従業員の過不足状況について、「適正」は前回調査比0.9ポイント減少の53.0%、次いで「不足」は1.2ポイント増加の44.4%、「過剰」は0.4ポイント減少の2.6%となった。
◇2023年度の採用活動について、「実施した」が5.8ポイント増加の53.2%、「実施しなかった」は4.8ポイント減少の45.5%となった。採用活動を実施した企業の具体的な内容は、「正規従業員の中途採用を実施」が7.8ポイント増加の78.8%と最も高く、次いで「正規従業員の新卒採用を実施」は4.3ポイント増加の42.5%となった。
◇2023年度に正規従業員の採用活動を実施した企業のうち、「計画通り採用できた」が14.9%、「概ね計画通り採用できた」は35.2%で、合計すると50.1%となり、前回調査比7.9ポイント減少となった。
◇2024年度の採用計画では、「実施する」が0.8ポイント増加の46.8%、「実施しない」が1.0ポイント増加の28.0%となった。
◇人材に関する取り組みとして、「賃上げの実施」が47.0%と最も高く、次いで「正規従業員の採用強化」は1.7ポイント増加の39.9%となった。

<中小企業の“生の声”>(抜粋)
○採用活動をしてもなかなか応募がない。パート社員は扶養調整で勤務時間を抑える必要がある人もおり、人手不足が深刻(小売業:洋食等の製造・販売、従業員数:14名)
○職業能力開発センターからの依頼で特別講義を実施し、生徒に塗装の技術や当社の事業内容をPRしている。また、特別講義を契機に自社の工場見学の参加にもつながり、結果として2名採用できた(製造業:金属製品塗装、従業員数:7名)

以上
【本件担当・問い合わせ先】

東京商工会議所
中小企業部
TEL 03-3283-7643