東商の活動

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連続イベント「先端研究機関からの招待状2」で天文学と遺伝学に関するご講演をいただきました

2018年12月17日
東京商工会議所
北支部
講演会の様子

講演会の様子

宮崎先生によるご講演

宮崎先生によるご講演

鈴木先生によるご講演

鈴木先生によるご講演

東京商工会議所 北支部(会長:越野充博・越野建設㈱社長)は、連続イベント「先端研究機関からの招待状2」(全4回)の第3回を12月17日(月)に開催しました。

 本事業は、新たなビジネスのヒントにしていただくことを目的に、先端研究に関心をお持ちの中小企業の経営者・技術者に、最新の研究をご紹介する全4回の連続イベントです。今回はその第3回目として、2本立ての講演会を行いました。第一部では天文学をテーマに、国立天文台 先端技術センター 准教授の宮崎聡氏を講師に迎え、「すばる望遠鏡広視野カメラ Hyper Suprime-Camで探る加速膨張宇宙の謎」と題してご講演をいただき、第二部では遺伝学をテーマに、国立遺伝学研究所 産学連携・知的財産室 室長の鈴木睦昭氏を講師に迎え、「遺伝学の発展により生活はどう変わるのか?」と題してご講演をいただきました。

 第一部のご講演では、①宇宙膨張が加速度的に速くなっている発見について、②なぜ宇宙膨張の謎の解明が重要なのか、③現在の研究手法とその成果についてお話をいただきました。まず、最初に宇宙膨張が加速度的に速くなっていることは2001年に発見され、その後10年でノーベル賞が与えられるほど、天文学ではインパクトが大きい発見であることの説明がありました。その後、宇宙膨張の謎の解明は我々を含めた宇宙の未来がどうなるかを予測するために必要で、それ次第で宇宙の寿命がそう長くなかったという可能性すらあるため、非常に重要な研究であること等をご説明いただき、このために官民の技術を結集して製作したすばる望遠鏡で詳細な天体図の観測を行っていることとそこから分かってきた研究成果の現状について解説をいただきました。この観測は2014年から開始されていますが、2020年頃までに観測結果をまとめたいということで今後の動きが期待されます。
 また、第二部のご講演では、①遺伝学とは何なのか、②未来に向けたバイオ政策、③遺伝資源について、④遺伝学研究所の技術シーズについてお話をいただきました。そもそも遺伝学とは夏目漱石が英語のGeneticsを訳したものであることの紹介や、メンデル、ダーウィンの時代から現在までの学問および技術面での進歩、諸外国と日本のバイオ政策の比較についてご説明をいただいたほか、最新の動きとしてアレルギーの出ない卵の開発や腸内細菌の分析、バイオプラスチック研究等、農業、医療、環境の分野で特に研究が盛んであることの解説をいただきました。アメリカ、EU、中国はもちろん、近年ではマレーシア、タイ、インドネシア等東南アジアの諸外国でも熱心に研究がされているということで、遅れを取らないよう日本でも政策面から支援が必要になっているということです。

 その後、講師と有志の参加者とで実施した交流会では、質疑応答や意見交換が盛んに行われました。アンケートでも「どちらもとても興味深かった。ビジネス上、関心が高い分野でもあり、社内でも議論したい」等の声が聞かれ、難しい分野ながらも有意義な時間となったことが伺えました。

 次回の第4回は2019年2月26日(火)に実施する予定です。今回と同様、2本立ての講演会で、加速器と位置情報(GPS)の技術をテーマに開催予定で、詳細は正式に決定後、順次HPにてご案内いたします。、
 ※案内開始時にお知らせを希望される方は下記事務局までご連絡ください。

以上
【本件担当・問い合わせ先】

東京商工会議所
北支部
TEL 03-3913-3000