政策提言・要望

「京都議定書目標達成計画(案)」に対する意見 <パブリックコメント>

平成17年4月13日
東京商工会議所

 地球温暖化とヒートアイランド現象という「2つの温暖化」に直面している東京の事業者は、環境配慮の重要性を深く認識しており、積極的な対応が求められていることに異論の余地はない。
  しかしながら、世界一省エネルギー対策が進んだ国とされる日本において、さらに現状より実質十数パーセントの温室効果ガス削減を実現するのは決して容易なことではなく、さりとて環境税導入といった経済規制的な手法に頼ることは、せっかく立ち直りつつある日本経済に致命傷を負わせることになりかねない。
  東京商工会議所ではかねてより、環境問題への対応は「環境と経済との両立」を図る視点に立って進めるよう要請しており、首都東京における産業界の立場から本計画案について以下のとおり意見を申し述べる。

提言



1. 本計画の基本的考え方として「環境と経済の両立」が明記されたことを評価し、その理念が今後とも尊重されるよう希望するが、これに反し、目標達成のための施策のひとつとして検討対象となっている「環境税」は、課税負担増大による企業活動への悪影響や価格転嫁による消費低迷が懸念されるなど「環境と経済の両立」という考え方には相容れないものであって、その導入には断固反対である。既に温暖化対策関係予算は1兆円を超えており、さらなる追加財源が本当に必要かという点も明確にされていない。仮に財源が必要であるならば、安易に増税に走るのではなく、既存の予算の重点配分や効率的な執行により捻出していくべきである。

2. 温室効果ガス排出量が基準年である90年と比べて増大している現状で、京都議定書の削減目標はきわめて高いハードルとなっており、その達成のためには産業界のみならず行政や市民がそれぞれに取組みを行わなければならない。そのため、政府は国民に本計画を十分説明し理解を求めるとともに、各主体の自主的・積極的な取り組みが最大限発揮されるようなインセンティブのある具体策を積極的に講じていく必要がある。

3. そもそも現行の京都議定書は、世界のエネルギー起源CO2排出量の1/4を占める米国が参加しておらず、また世界第2位・5位の排出大国である中国・インドが、発展途上国として削減の義務付けがなされていないなど、全地球的に見てその実効性は乏しいといわざるを得ない。一方、省エネルギー努力や環境対策に長年注力し排出削減余地の少ない日本には厳しい目標が課せられるなど不利な内容となっており、国際経済における競争力低下を招く恐れがある。今後第二約束期間に向けた枠組み交渉においては、あらゆる国が真に公平で実効性ある形で削減に努める仕組みとなるよう、外交努力が強く求められる。

平成17年度第1号
平成17年4月14日
第558回常議員会追認
 

以上

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