東商の活動

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資源・エネルギー部会 講演会「地球温暖化とのつきあいかた」(講師:杉山大志氏)を開催しました

2014年10月21日
東京商工会議所
産業政策第二部
講師の杉山氏

講師の杉山氏

 資源・エネルギー部会(部会長=井手明彦・三菱マテリアル会長)は10月21日、電力中央研究所上席研究員の杉山大志氏を招き、「地球温暖化とのつきあいかた」と題し、講演会を開催しました。

 IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の第5次評価第3部会で日本から唯一人、統括執筆責任者を務めた杉山氏は、IPCCの評価報告書の目的は学術文献をレビューした知見をまとめることでしたが、「実際には先進国と途上国の利害関係などから、極めて政治的に掲載内容が決められている」と指摘しました。その上で、報告書にある地球温暖化を産業革命前に比べておおむね2度以下に抑制する「2度シナリオ」は、「国際協調と技術革新が条件となり、バイオエネルギーやCCS(二酸化炭素貯留)が現在の石炭や石油の規模で普及するなど、現状からみると奇跡的な変化が必要な内容だ」と説明しました。さらに、報告書の温暖化の環境影響については、生態系や漁業、農業への影響に関して科学的意味のないグラフなどで印象操作が見られるなど、疑問点が多いことを指摘しました。

 日本の温暖化対策のあり方については、①安全保障を重視するために、経済成長も重視すべき、②政策の失敗を避け、CO2削減は自主的取り組みを活用すべきだとし、「安定した経済成長、日本の産業蓄積の活用、科学技術全般の進歩、適正規模での技術開発補助で、省エネなどの技術革新を促すべきだ」と強調しました。

以上
【本件担当・問い合わせ先】

東京商工会議所
産業政策第二部
担当 環境・エネルギー担当
TEL 03-3283-7657