政策提言・要望

「京都議定書目標達成計画の評価・見直しに関する中間報告(案)」に対する意見

平成19年9月18日
東京商工会議所

提言

 東京商工会議所(山口信夫会頭)は、環境委員会(委員長:福地茂雄 アサヒビール㈱相談役)がとりまとめた標記意見を提出した。       経済産業省の産業構造審議会地球環境部会地球環境小委員会と環境省の中央環境審議会地球環境部会の合同会合がまとめた「京都議定書目標達成計画の評価・見直しに関する中間報告(案)」に対する意見募集に応じたもので、主な内容は以下のとおり。                  1.自主行動計画の推進       産業部門の排出量は自主行動計画により順調に削減されつつあり、今後も、所管省庁によるフォローアップを受けながら、企業による自主的な取組みを継続していく必要がある。            2.地域の取組強化       一定の地域に限定された排出量の規制や削減の義務化は、効果が限定的である。地方公共団体においては、地域の自然的社会的条件に応じ、排出削減のためのインセンティブの創出、あるいはベスト・プラクティスを提示するなど、特に昼間住民(在勤者・在学者)を含めた地域住民の自主的な取組みを促進するための施策を講じるべきである。            3.住宅・建築物の省エネ性能向上及び評価・表示の充実       一定の省エネ基準を満たした住宅等に対する固定資産税・都市計画税の軽減措置など、税制優遇措置等のインセンティブを付与する方策により、建築物の省エネ性能向上の促進を図られたい。            4.国民運動       国民運動の推進には、科学的に正しい知見による啓発が必要であり、企業の協賛やマスメディアの活用のほかに、学校教育を通して、温暖化対策の重要性や具体的な排出削減の手法・効果の啓発を図ることも重要である。長期的に温暖化対策に取組むためには、次世代の人材育成が必要である。            5.交通流対策・公共交通機関の利用促進等       渋滞緩和などによる二酸化炭素排出削減に向け、効果の大きい首都圏三環状道路など、都市部の集中整備を進めるべきである。            6.新エネルギー対策       国は、今後の新エネルギーの需給見通しや関連産業の育成方針を明らかにするなど、新エネルギーへの投資に向けた環境整備を図るとともに、新エネルギーの利用による温室効果ガスの排出削減量を提示するなど、利用の拡大に向け、その意義、効果を国民に具体的に示す必要がある。       グリーン電力証書等による需要側の取組を推進するにあたっては、現在寄付金として扱われている企業によるグリーン電力の購入費用を、全て損金化できるよう税制を整備されたい。            7.中小企業の排出削減対策の推進       高性能機器の導入による排出削減を推進するために、資金面の支援策を拡充するとともに、中小企業が利用しやすい環境を整備されたい。       大企業が技術・資金等を提供して中小企業の排出削減を行ない、自社の目標達成等に活用する仕組みについては、基本的に賛成である。大企業・中小企業ともに参加企業が自主的に取組むためにはインセンティブが不可欠であり、制度の簡素化を図られたい。            8.国内排出量取引       そもそも京都議定書による枠組に参加していない大量排出国があるうえに、先進国への国別排出枠の割当てが公平であるとは言えないこと、国内の事業者への公平な排出枠の割当ても困難であること、途上国への生産部門の移転による炭素リーケージの懸念などから、事業者に予め排出枠を設定するキャップ&トレード型の国内排出量取引制度の導入には反対である。            9.環境税       環境税は、導入による抑制効果がほとんど見込めないこと、産業の国際競争力を低下させる要因となること、また、「環境と経済の両立」にも反するものであるから、導入には反対である。

以上

【本件担当・問い合わせ先】
東京商工会議所
地域振興部
担当 上田・布施
TEL 03(3283)7657