政策提言・要望

平成20年度税制改正に関する要望

平成19年9月13日
東京商工会議所

 東京商工会議所(山口信夫会頭)は、本日開催の第585回常議員会で、税制委員会(委員長:池田守男 副会頭、資生堂相談役)と事業承継問題委員会(委員長:神谷一雄 特別顧問、松久社長)がとりまとめた標記要望を決議した。今後、政府・政党をはじめ関係先に提出し、要望内容の実現を働きかける。要望の主な内容は次のとおり。

提言要望

【基本スタンス】
 〇財政健全化実現の大前提は、国や地方の徹底的な歳出削減であり、それなしに国民の負担増は容認できない。政府への信頼感がなければ、負担増への理解を得ることは難しい。
 〇わが国経済は回復基調にあるが、中小企業はその実感に乏しい。「経済成長なくして財政再建なし」の立場を堅持し、企業の国際競争力の強化や中小企業の成長力の底上げを通じた高めの経済成長を最優先課題とすべき。
 〇税体系の抜本的改革に当たっては、安易な消費税率の引き上げは避けるべき。消費税は逆進性や価格転嫁の問題等、さまざまな問題を抱えている点も踏まえた検討が必要。


【要望事項】
Ⅰ.企業の国際競争力の強化と中小企業の成長力の底上げ
 〇経済のグローバル化が進む中、国際的なイコールフッティングを確保し、海外のダイナミズムを取り込んでいくことが日本企業にとっては不可欠。法人実効税率の引下げ、減価償却制度の見直し、金融所得課税の一体化等を進めるべき。
 〇わが国企業の99.7%、雇用の7割を占める中小企業が景気回復を実感し、成長力を高めるためには、経営基盤の強化が喫緊の課題。すでに多くの中小企業が世代交代期を迎えていることから、早急に包括的な事業承継税制を確立すべき。まずは一定期間の事業継続等を条件に、非上場株式等の事業用資産に対する相続税を8割以上減免すべき。
 〇現行の消費税制度について、簡易課税と本則課税の選択の柔軟化、申告期限の延長制度の創設等の改善。

Ⅱ.経済社会の変化に対応した税制
 〇少子・高齢化社会を見据え、児童税額控除制度・介護費用に係る所得控除制度の創設。
 〇政府の役割を民が補完する必要性が高まる中、来年施行される新たな非営利法人制度の下で、第三者機関に公益性を認定された公益法人の活動を支援するため、みなし寄附金制度の大幅な拡充と特定公益増進法人並みの寄附金優遇を認めるべき。併せて広く寄附文化を育成する観点から、法人や個人による寄附を促す税制措置の拡充が必要。
 〇地球温暖化ガス削減は、経済統制的な環境税ではなく、省エネ設備の導入や屋上緑化建築物等への税制優遇措置等、インセンティブ型の税制の導入・拡充により実現すべき。

Ⅲ.納税環境の整備と納税意識の向上
 〇社会保障番号との一元化も視野に入れた納税者番号制度の早期導入や電子申告の普及に加え、国税不服審判所等に民間人を登用し中立性を高めるべき。
 〇納税意識を高める観点から給与所得者の申告機会を拡大するとともに、公的負担への納得感向上のため国・地方とも公会計制度を整備し、財政状況を徹底して情報開示すべき。

以上

【本件担当・問い合わせ先】
東京商工会議所
産業政策部
担当 小林、盛、福地
TEL 3283-7621/7623/7756