会頭コメント

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令和4年度与党税制改正大綱について

2021年12月10日
東京商工会議所

 本日、令和4年度与党税制改正大綱が決定した。「成長と分配の好循環」の実現を目指し、コロナ禍で困窮する中小・小規模事業者の事業継続・雇用維持、ポストコロナに向けた中小・中堅企業のビジネス変革を後押しするものとして評価する。
 まず、コロナ禍で困窮する中小企業等の経営の建て直しに向け、商業地等にかかる固定資産税の負担軽減措置が講じられたことは、商工会議所の主張が一定程度受け入れられたものと評価する。事業承継税制についても、コロナ禍で承継時期が遅れている実態に鑑み、特例承継計画の提出期限が延長されたことを歓迎したい。他方、困窮する飲食事業者等の救済にも資する交際費課税特例については、拡充措置は講じられなかったものの、措置が延長されたことは前向きに受け止めたい。
 ポストコロナへの中小企業等の挑戦支援として、少額減価償却資産特例、地方拠点強化税制、オープンイノベーション促進税制、5G導入促進税制等の延長や拡充が講じられたことは大変心強い。商工会議所では、これら税制を最大限活用し、中小企業等のビジネス変革等への挑戦を強力に後押ししてまいりたい。
 また、所得拡大促進税制の控除率が大幅に拡充されたことは、従業員の賃上げや教育訓練に前向きに取り組む中小企業等を後押しするものと評価したい。ただし、税制支援とあわせて、分配原資となる付加価値を拡大させる生産性向上等への支援強化と持続的な成長を促すビジネス環境整備が必要不可欠であることを申し添えたい。

以上