会頭コメント

会頭コメント

平成20年度予算財務省原案について

2007年12月20日
東京商工会議所

 来年度の課題は、日本経済をデフレから脱却させ、持続的成長軌道に乗せることである。経済成長はあらゆる改革の推進力である。財政健全化や持続可能な社会保障制度の確立など、わが国にとって重要な政策課題の解決は、景気の拡大と浸透による税収増を図っていかなければ難しい。
  一方で足元の経済をみると、サブプライム問題に端を発した米国経済の先行き不安、原油・原材料高、住宅着工減の影響など、景気に対する不透明要因が少なくない。
 そうした観点からみると、実質成長率2.0%という政府経済見通しは、低くはないハードルだが、デフレ脱却に向けた政府の意気込みとして評価したい。
 その裏づけとなる来年度予算の財務省原案は、社会保障費が膨らむ中で財政再建に取り組むという難しい局面ながら、苦心の跡がみられる。政府に対しては、景気動向に細心の注意を払いながら、来年度税制改革の成果も踏まえ、税財政・金融両面から迅速かつ的確な経済運営を望みたい。特に経済と暮らしを支える中小企業の成長力底上げには、引き続き力を注いでもらいたい。
 また、地域の再生・振興は政府が掲げる重要課題であり、同時に商工会議所にとっても最優先課題の一つである。公共事業関係費が当初予算比で3%減となったのはやむを得ないが、特に幹線道路網の未整備が、地域の発展を阻んでいる現実を踏まえ、真に必要な道路の整備を着実にすすめるとともに、来年度発足する地域力再生機構が実効性あるものとなるよう期待する。

以上