政策提言・要望

政策提言・要望

「起業・創業の促進とスタートアップの成長促進に向けた意見」について

2024年5月10日
東京商工会議所
中小企業部

 東京商工会議所(小林健会頭)は、5月9日に開催した第769回常議員会において、イノベーション・スタートアップ委員会(委員長:倉石誠司副会頭・本田技研工業(株)取締役)が取りまとめた標記意見を決議しましたので、お知らせします。
 東京商工会議所が起業・創業支援の一環で行っている創業相談の件数が近年も増加傾向が続くなど、起業・創業の機運は醸成されつつあります。一方で、わが国の開業率は、欧米主要国と比べて低水準にとどまっています。東京都の開業率は全国水準を上回っていますが、スタートアップを創出するためには、起業・創業数のさらなる増加が欠かせません。
 また、“大企業とスタートアップ”の連携に向けた取り組みは加速していますが、今後、“中堅・中小企業とスタートアップ”の連携を進めることが、双方の成長につながり、ひいてはわが国の経済成長に大きく寄与します。さらに、東京には企業以外にも、大学・研究機関、支援機関、多様な専門人材などが集積しており、スタートアップとのさらなる連携が見込まれます。これらの状況を踏まえ、“東京の特徴”を活かした「起業・創業の促進」「スタートアップの成長促進」の2つの柱で意見を取りまとめました。今後、要望内容が国および東京都の政策に反映されるよう、強く働きかけてまいります。主な要望事項は以下の通りです。

【主な要望項目】


Ⅰ.起業・創業の促進

○起業・創業にいたるステージに応じた施策の検討と対策の実施
 ・起業家との接点創出、アントレプレナーシップ醸成に向けた起業家教育の促進
○再チャレンジによる起業促進に向け、失敗を許容し、再チャレンジを後押しする意識・文化の醸成
○スタートアップのビジネス基盤、アイデア、人材などの有効活用に向けた、大企業・中小企業・スタートアップのM&Aの理解と取り組みの促進


Ⅱ.スタートアップの成長促進

1.中堅・中小企業とのオープンイノベーション促進
○スタートアップと中堅・中小企業との連携促進を盛り込んだ政策の検討
 ・スタートアップと中堅・中小企業との連携による効果や、先輩経営者としてのアドバイスを行う「おせっかい役」としての中堅・中小企業の役割を踏まえた政策の検討
○中堅・中小企業の参画促進によるスタートアップエコシステムの活性化
○スタートアップと中堅・中小企業のマッチングから成果創出に向けた支援

2.スタートアップの成長促進に向けた環境整備・個社支援強化
○国・東京都がまとめた成長戦略、ビジョンに対する進捗把握と着実な実行
 ・スタートアップのフェーズや類型に応じた支援体制の整備
○網羅的に措置されている支援施策の周知強化ならびに効果検証、ニーズや実態に応じた改善
○資金調達支援

以上
【本件担当・問い合わせ先】

東京商工会議所
中小企業部
担当 山本・張替・長嶋
TEL 03-3283-7754