政策提言・要望

「知的財産政策に関する意見」について

平成30年3月15日
東京商工会議所
産業政策第一部

 東京商工会議所(三村明夫会頭)は、3月12日開催の第208回議員総会・第704回常議員会(日本商工会議所(三村明夫会頭)は3月15日開催の第674回常議員会・第267回議員総会で決議)にて、知的財産戦略委員会(委員長:荒井寿光・東京中小企業投資育成相談役)がとりまとめた標記意見を決議しました。
 本意見は、知的財産政策について、目指すべき方向性と望まれる施策をまとめたものです。今後、関係省庁に対し要望事項の実現を働きかけていきます。

主な内容

○基本的な考え方

①「成長する経済」の実現には、生産性向上が必要。その切り札はイノベーションを創出する知的財産(知財)。企業は人材や設備に果敢に投資し、知財の創造、活用を積極的に進める必要がある。こうした観点から中小企業向け特許料金の一律半減制度は画期的。
②世界では、特許出願件数が減少する日本に対し、米国、特に中国は件数が増えている。看過すれば、わが国企業は国際競争力上、不利となり、経済成長を停滞させかねない。
③政府が検討中の2025年頃を見据えた知財戦略ビジョンでは、知財を経済成長の柱とし、また、知財計画2018では、「中小企業の生産性向上」を目標の中心に据えることが必要。
④発明の奨励とともに知財が研究開発の成果として尊重され、安定的に利活用できることが重要。中小企業からは侵害の差止めや損害賠償額の引上げ、悪質な侵害防止を求める声が強い。また、地方創生の加速のためコンテンツを含め知財活用への意識を高めることが肝要。


○主な要望事項

Ⅰ. 中小企業の知財の創造、活用を促す知財紛争処理システムの構築を
●低すぎる損害賠償額の早期是正、悪質な侵害の防止
・損害賠償額が「通常の特許実施料相当額」を上回るものとなるよう法定すること。あわせて増額につながる考慮要素を明確にすること
・諸外国の事例を参考に、悪質な侵害を防止するための制度について検討し、早急に対応すること

Ⅱ. 中小企業の知財権取得を後押しする施策を
●特許料金の一律半減制度を盛り込んだ特許法改正法案の早期成立を
・法改正の早期実現とともに中小企業の制度活用を促すため、全国津々浦々にて、本制度はもとより、特許取得のメリットを分かり易く周知啓発する説明会を開くこと

Ⅲ. 地域・中小企業の知財の徹底活用による地方創生の加速化を
●地域の連携による戦略的な知財活用を
・各地の産学連携の起爆剤とするべく、大学や研究機関の特許を中小企業が事業化評価をする間、無償開放し、事業化後に有償契約に移行する制度を整備すること

Ⅳ. 国内外の需要拡大・獲得に向けコンテンツの戦略的な展開を
●コンテンツの創造・利活用を促進する制度整備を
・柔軟性のある権利制限規定について、著作権法改正の早期実現とともに、その内容を広く、丁寧に周知し、著作権者の権利が適切に保護されるようにすること

以上

【本件担当・問い合わせ先】
東京商工会議所
産業政策第一部
担当 佐藤、寺田、清水、平澤
TEL 03-3283-7630