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「中小企業の経営課題に関するアンケート」調査結果について

2022年12月12日
東京商工会議所
中小企業部

 東京商工会議所(小林健会頭)は、中小企業委員会(大島博委員長・東商副会頭/(株)千疋屋総本店社長)において、標記調査結果をとりまとめましたので、お知らせします。
中小企業委員会では、会員企業の経営実態に即した支援策の実現を目指し、例年、「中小企業対策に関する重点要望」を国、東京都をはじめ関係方面に提出しています。本調査は、各企業の業況や資金繰りのほか、原材料・エネルギー価格の高騰による影響など、中小企業が直面する経営課題を総合的に検証し、要望事項のとりまとめに供するため、23区内中小企業・小規模事業者を対象に実施したものです。

【 調査結果の主なポイント】

(1)売上・収益の状況および価格転嫁の動向(調査結果P9-15)
・本年1月~9月の売上高を昨年同時期と比較すると、「増加」の回答が41.0%と、「減少」の26.3%を約15ポイント上回り、回復基調にある。
・受注単価とコストの状況について、本年1月~9月の「販売・受注単価」は昨年同時期と比較して、「単価上昇」の回答が40.2%である一方、「原材料・仕入れ単価」においては「単価上昇」と回答した割合が74.6%、「販売管理費」においても「費用上昇」が54.9%にのぼるなど、多くの企業でコストが上昇している傾向にある。
・今期の収益見通しにおいて「黒字」と回答する割合は、前期(直近決算期)と比較し6.7ポイント減少している。
・価格転嫁について、43.8%の企業がコスト増加分の半分未満、79.9%の企業が完全には転嫁ができていない。価格転嫁が進むほど「黒字見通し」と回答する割合が高く、収益確保に向けて価格転嫁の取り組みが重要。

(2)新たな取り組み(調査結果P16-21)
・76.9%の企業がコロナ以降に新たな取り組みを実施、または既存の取り組みを強化している。
・実施した取り組みのうち製品開発・市場開拓に関連した取り組みは、成果(売上や収益)につながった割合が高い。また、新分野展開や業態転換などの事業再構築の取り組みは、成果が出始めている企業も一定数いる。
・ITツールを導入している割合は年々増加し、今回の調査では61.6%となった。
・スタートアップとの関係について、経営者年齢が若いほど、「既に連携している・製品・サービスを活用している」と回答した割合は高い。また、現在、連携・活用していない層についても「興味がある」と回答した割合は高い。
・脱炭素の取り組み状況は、 約3割が「取り組みたいが何をすべきか分からない」と回答している。

(3)資金繰り(調査結果P22-25)
・約4割の企業が債務の過剰感を抱えている。業種別では、飲食・宿泊業が最も過剰感を抱えている割合が高く、76.3%にのぼる。
・新型コロナウイルス関連融資について、収益状況に関わらず、6割弱の企業が約定通りに返済ができているが、赤字企業の約2割は、「据置期間中(借り換えにより据え置きを延長した)」となっている。
・新型コロナウイルス関連融資の今後の返済見通しについて、既に借り換えにより据置期間を延長している企業の37.3%が「今後も据置期間の延長等をする予定」と回答している。

(4)事業承継(調査結果P26)
・既に後継者を決めている、または後継者候補がいる企業が約5割に達する一方で、後継者が未定であるものの事業継続を希望する企業は約35%となっている。

対 象:23区内中小・小規模企業8,000社
期 間:2022年9月22日(木)~10月14日(金)
回答数:1,305社(回収率16.3%)(うち小規模企業者 632社 (48.4%))

「中小企業の経営課題に関するアンケート」調査結果、調査票

以上
【本件担当・問い合わせ先】

東京商工会議所
中小企業部
担当 小野、小森、張替
TEL 03-3283-7724