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企業向け新型コロナウイルス対策情報  第48回 濃厚接触者・感染者が安心して職場に戻るために

2021年6月11日
東京商工会議所

東京商工会議所では、新型コロナウイルスが感染拡大する中、企業での対策に活用できる情報として、産業医有志グループ(※)より提供される「企業向け新型コロナウィルス対策情報」を配信(不定期)しております。

本対策情報は、産業医有志グループ(今井・櫻木・田原・守田・五十嵐)が作成し、和田耕治先生(国際医療福祉大学・公衆衛生学教授)のサポートも受けております。詳細は本ページ下部の「文責」をご覧ください。

健康経営倶楽部マガジン臨時号                2021/06/11
                     東京商工会議所 ビジネス交流部
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         企業向け新型コロナウイルス対策情報
    第48回 濃厚接触者・感染者が安心して職場に戻るために

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※健康経営倶楽部マガジンの臨時号として、新型コロナウイルスの感染拡大防止
に向けて、企業での取り組みに活用できる情報を、ご登録の皆様に不定期に配信
しています。

【下記コンテンツについて】
産業医有志グループ(今井・櫻木・田原・守田・五十嵐)で作成しました。
厚生労働省新型コロナウイルス対策本部クラスター対策班・和田耕治先生
(国際医療福祉大学・公衆衛生学教授)のサポートも受けております。

経営者・総務人事担当者のみなさま、新型コロナウイルス感染が治まらない中、
感染者や濃厚接触者が安心して職場復帰できるように準備はできているでしょうか?

1.課題の背景:
緊急事態宣言などの制限によって一時的に感染拡大が抑えられても、その後に
感染が拡大することが繰り返されています。いつ、誰が感染してもおかしくな
い状況の中、感染者や濃厚接触者が職場復帰する際に、周囲の従業員から復帰
に反対するような声が出ることがあります。感染や濃厚接触となった従業員が
安心して、気持ちよく職場復帰できるようにしましょう。

2.企業でできる対策
○濃厚接触者や感染者が職場に復帰する基準を日頃から周知する
〇濃厚接触者や感染者に対する差別や中傷をしないよう教育する
〇感染のハイリスク者など、不安を強く感じる社員に配慮する

1)濃厚接触者や感染者が職場に復帰する基準を日頃から周知する
 濃厚接触者や感染者が職場に復帰するのは、他の人に感染させる可能性がな
 いからであることをあらかじめ周知することで、実際に復帰する場面で混乱
 が起きないようにします。

<濃厚接触者>
□最後に濃厚接触(マスクなしで1m以内、15分以上の会話など)をした日から
 14日間の健康観察期間経過中、発熱などの症状が出なかった場合

<感染者>
□発症後(ないし診断確定後)に少なくとも10日以上経過している
□解熱後に少なくとも72時間経過しており、発熱以外の症状が軽快傾向である
 の両方を満たしている場合を目安としつつ、保健所の指示に従います(参考資料1)。
 これらの目安は、ウイルスが他の人に感染しないよう、安全域を見込んだも
 のです。必要以上の休業を求めることで従業員の働く権利をいたずらに阻害
 することのないように気を付けましょう。
 なお、感染拡大地域においては、保健所の積極的疫学調査は
①重症化リスクのあるものが多数いる場所・集団との関連
②地域の疫学情報等を踏まえ感染が生じやすいと考えられる(三密や大声を出
 す環境その他濃厚接触が生じやすい等)状況を優先して行うこととなってい
 ます(参考資料2)。したがって、職場の濃厚接触者への調査が遅れる可能
 性があり、職場において積極的に濃厚接触者の把握と外出制限、健康観察を
 行うことが望まれます。その際は保健所の指示が充分に得られない可能性が
 ありますから、上記の基準を参考に健康観察期間を設定します。

2)濃厚接触者や感染者に対する差別や中傷をしないように教育する
 感染者等についての情報はプライバシーに配慮しながらの発信となるため、
 情報の内容や伝達する範囲を限定することになります。そのことによって、
 事実とは異なる噂話として広がる可能性があります。日頃から従業員がお互
 いを尊重しあえるように働きかけます。
□社内での感染防止ルールを徹底し、感染が拡がらないようにする
□プライバシーに配慮するため、開示される情報は内容・範囲とも限定的にな
 ることを事前に周知しておく
□事実と異なる噂話や感染者等への直接の差別や嫌がらせは職場のハラスメン
 トとして厳正に対処することを周知する

3)感染のハイリスク者など、強く不安を感じる従業員に配慮する
 持病を持っているなど、感染に対して強く不安を感じている従業員もいます。
 そのこと自体を批判するのではなく、丁寧に対応しましょう。
□産業医や保健師に相談できるようにするなど、不安を感じる従業員のための
 相談窓口を作る
□不安を感じていることを受け止めつつ、そのために社内で感染防止対策を講
 じていること、感染者等は他の人に感染させる危険性がなくなってから出勤
 していることを説明する

【文責】櫻木 園子(一般財団法人京都工場保健会)
※本文章は、産業医有志グループ(今井・櫻木・田原・守田・五十嵐)で作成しました。
和田耕治先生(国際医療福祉大学・公衆衛生学教授)のサポートも受けております。

OHサポート株式会社(代表/産業医 今井 鉄平)では、経営者・総務担当者向けに必要な感染拡大防止策情報を随時配信しています。本情報は著作権フリーですので、ぜひお知り合いの経営者に拡散をお願いします。

また、動画配信も行っております。参考情報リンク参照。

※本情報配信に関するご意見・ご要望は、こちらまでお寄せください。
covid-19@ohsupports.com

※これまでに配信しましたバックナンバーは、参考情報リンク参照。

以上
【本件担当・問い合わせ先】

東京商工会議所
ビジネス交流部 会員交流センター