会頭コメント

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地域別最低賃金額改定の目安について

2020年7月22日
東京商工会議所

 本日、地域別最低賃金額改定の目安に関する審議が結審し、「引上げ額の目安を示すことは困難であり、現行水準を維持することが適当」という結果になった。新型コロナウイルスの影響により、未曽有の苦境にある中小企業・小規模事業者の実態を反映した適切な結論であり、これを評価する。

 最低賃金は政府方針により、中小企業・小規模事業者の経営実態を大幅に上回る4年連続3%台の引上げが続いていたことから、商工会議所は、明確な根拠のもとで納得感のある水準を決定するよう、かねてから強く要望してきた。特に、今年度は新型コロナウイルスの影響により、先行きの見通しが立たない「正に100年に一度の危機」であるとの認識のもと、足下の雇用情勢や極めて厳しい景況感に鑑みて、「引上げの凍結」を強く主張してきた。

 最低賃金はコロナ禍で休業を余儀なくされている企業を含め、全ての企業に強制力をもって適用される制度である。今年度の結論は、当面は官民を挙げて「雇用の維持」と「事業の継続」を最優先に図っていくという明確なメッセージであると受け止めている。
なお、今後行われる地方審議会においても中小企業・小規模事業者や地域経済の窮状をしっかりと考慮した検討が行われることを心から期待する。

以上