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企業向け新型コロナウイルス対策情報 【2020/04/22改訂】第3回 発熱者の職場復帰時期の目安

2020年4月22日
東京商工会議所

東京商工会議所では、新型コロナウイルスが感染拡大する中、企業での対策に活用できる情報として、産業医有志グループ(※)より提供される「企業向け新型コロナウィルス対策情報」を配信(不定期)しております。

※本対策情報は、産業医有志グループ(今井・櫻木・田原・守田・五十嵐)が作成し、厚生労働省新型コロナウイルス対策本部クラスター対策班・和田耕治先生(国際医療福祉大学・公衆衛生学教授)のサポートも受けたものです。詳細は本ページ下部の「文責」をご覧ください。

【2020/04/22改訂】 第3回 発熱者の職場復帰時期の目安

【4月20日(月)に、日本渡航医学会産業保健委員会ならびに日本産業衛生学会海外勤務健康管理研究会によるガイドライン「新型コロナウイルス情報企業と個人に求められる対策」が改訂され、職場復帰の目安の推奨が変更されました。】

→以下、変更内容を踏まえた改訂版になります。ご確認ください。

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経営者・総務人事担当者のみなさま、貴社で発熱者が出た場合の対応手順はお考えでしょうか?
仮に医療機関でPCR検査を受けて陰性だったとしても、感染していないことの証明(陰性証明)にはなりませんし、そのような証明を求めること自体が、増加する患者の対応で逼迫する医療機関にさらなる負担をかけてしまいます。とはいえ、発熱や呼吸器症状の申告があったので自宅待機を命じたものの、その後どうするかに悩むケースも増えてくることかと思います。
そのような場合の職場復帰手順を事前に検討しておくことも重要です。


1.課題の背景

産業医として企業担当者からよく頂く質問の一つが、発熱者の職場復帰時期の目安です。特に3日以内に解熱をしたケースや、4日以上の発熱が続いたが、PCR検査を受けられなかった(または陰性であった)ケースなど、復職のタイミングをどうするか頭を悩ませている企業担当者は多いことと思われます。

元々少ない人員で運用している職場など、あまり自宅待機期間が長すぎても本人や周囲の不利益につながったり、短かすぎても職場の集団感染を招いたりと、判断に迷うところでしょう。また、発熱者と濃厚接触があったと考えられる社員に対してどのような対応をとったらよいか(自宅待機を命じるべきか等)も、同様に頭の痛い課題であることが考えられます。


2-1.企業でできる対策(1):発熱者本人に対する対応

○すべての症状が消失してから72時間(3日)の自宅待機期間をもつ

○職場復帰後も4週間程度は衛生対策の徹底と毎日の健康観察を続ける

○職場で3つの密がないかをチェックし、極力そのような状況を避ける

日本渡航医学会と日本産業衛生学会が合同で公開している新型コロナウイルス情報(4月20日版) では、新型コロナウイルス感染症との診断に至らなかった場合で自然に解熱・症状軽減した場合における職場に復帰させるタイミングの目安については、以下のように示されています。

(1)発症後に少なくとも8日が経過している

   かつ

(2)各種薬剤の内服のない状態で発熱、咳、喀痰、下痢、全身倦怠感などが消失してから72時間(3日)以降が望ましい

これは感染者であったとしても8日間でウイルス量が減るためですが、上記を目安に考えますと、PCR検査で感染が確認されなかったケース(PCR検査陰性者を含む)において、すべての症状が消失してからも72時間(発症後の経過が8日に満たない場合は更に不足日数分を追加)は自宅待機の上、出社して頂く必要があると思われます。

ただし、仮に感染者であった場合、ウイルスの排泄期間は比較的長く、また再陽性となる場合もあるため、復職後も4週間程度は衛生対策(外出時のマスク着用、顔やマスクを触る時や食事前などの手洗いの徹底)と健康状態の毎日の確認(毎朝の検温)をお願いし、発熱や風邪症状があればすぐに報告してもらうようにしてください。

また、念のため、職場で3つの密(換気が悪い密閉空間、人が密集している、近距離での会話や発声)を満たす状況がないかを確認し、極力そのような状況を避けるようにしてください。

なお、発熱や症状を認めた社員も不安を抱えながら職場復帰をすることと思います。上記の対策により、たとえ感染者であったにせよ周囲への感染拡大のリスクは大幅に低減できていることを周囲も理解し、決して同社員に対して不利益取り扱いや差別をしないことも大事です。


2-2.企業でできる対策(2):発熱者と濃厚接触が疑われる社員に対する対応

○2週間程度は衛生対策の徹底と毎日の健康観察を続ける

新型コロナウイルスへの感染が確認できていないことから、濃厚接触が疑われる社員(一緒に食事をとった、2m以内での会話があった等)の自宅待機措置までは不要かと思います。ただし、14日間程度は衛生対策(外出時のマスク着用、顔やマスクを触る時や食事前などの手洗いの徹底)と健康状態の毎日の確認(毎朝の検温)をお願いし、発熱や風邪症状があればすぐに報告してもらうようにしてください。


<関連情報リンク>

・日本渡航医学会産業保健委員会、日本産業衛生学会海外勤務健康管理研究会
 「新型コロナウイルス情報 企業と個人に求められる対策(2020年4月20日)」
 ※本ページ下部のリンク(1)をご覧ください。

・日本感染症学会
 「岡崎医療センターにおけるSARS-CoV-2無症状病原体保有者のPCR陰性化状況」
 ※本ページ下部のリンク(2)をご覧ください。

【2020/04/10掲載(改訂前)】 第3回 発熱者の職場復帰時期の目安

経営者・総務人事担当者のみなさま、貴社で発熱者が出た場合の対応手順はお考えでしょうか?

医療機関で感染していないことを証明してもらう(陰性証明)ことは困難ですし、また増加する患者の対応で逼迫する医療機関にそのような証明を求めるべきではないでしょう。発熱や呼吸器症状の申告があったので自宅待機を命じたものの、PCR検査は受けられず陰性か陽性か分からないといったケースも増えてくることかと思います。そのような場合の職場復帰手順を事前に検討しておくことも重要です。

1.課題の背景

産業医として企業担当者からよく頂く質問の一つが、発熱者の職場復帰時期の目安です。特に3日以内に解熱をしたケースや、4日以上の発熱が続いたがPCR検査を受けられなかったケースなど、復職のタイミングをどうするかに頭を悩ませている企業担当者は多いことと思われます。
元々少ない人員で運用している職場などでは、あまり自宅待機期間が長すぎても本人や周囲の不利益につながったり、短かすぎても職場の集団感染を招いたりと、判断に迷うところでしょう。また、発熱者と濃厚接触があったと考えられる社員に対してどのような対応をとったらよいか(自宅待機を命じるべきか等)も、同様に頭の痛い課題であることが考えられます。


2-1.企業でできる対策(1):発熱者本人に対する対応

〇すべての症状が消失してから48時間の自宅待機期間をもつ

〇職場復帰後も4週間程度は衛生対策の徹底と毎日の健康観察を続ける

〇職場で3つの密がないかをチェックし、極力そのような状況を避ける

日本渡航医学会と日本産業衛生学会が合同で公開している新型コロナウイルス情報(3月2日版) では、自宅待機後3日以内に解熱した場合について、「職場に復帰させるタイミングの目安は、各種薬剤の内服のない状態で発熱、咳、喀痰(かくたん)、下痢、全身倦怠感などが消失してから48時間以降が望ましい」とされています。これを目安に考えますと、3日以内に解熱したケースや4日以上の発熱があるもPCR検査を受けられなかったケースにおいて、すべての症状が消失してからも48時間は自宅待機の上、出社して頂く必要があると思われます。

ただし、感染者であった場合、ウイルスの排泄期間は比較的長く、また再陽性となる場合もあるため、復職後も4週間程度は衛生対策(外出時のマスク着用、顔やマスクを触る時や食事前などの手洗いの徹底)と健康状態の毎日の確認(毎朝の検温)をお願いし、発熱や風邪症状があればすぐに報告してもらうようにしてください。

また、念のため、職場で3つの密(換気が悪い密閉空間、人が密集している、近距離での会話や発声)を満たす状況がないかを確認し、極力そのような状況を避けるようにしてください。


2-2.企業でできる対策(2):発熱者と濃厚接触が疑われる社員に対する対応

〇2週間程度は衛生対策の徹底と毎日の健康観察を続ける

新型コロナウイルスへの感染が確認できていないことから、濃厚接触が疑われる社員(一緒に食事をとった、2m以内での会話があった等)の自宅待機措置までは不要かと思います。ただし、14日間程度は衛生対策(外出時のマスク着用、顔やマスクを触る時や食事前などの手洗いの徹底)と健康状態の毎日の確認(毎朝の検温)をお願いし、発熱や風邪症状があればすぐに報告してもらうようにしてください。


<情報リンク>

・日本渡航医学会産業保健委員会、日本産業衛生学会海外勤務健康管理研究会
 新型コロナウイルス情報 企業と個人に求められる対策 Q&A版(2020年3月24日)

・日本渡航医学会産業保健委員会、日本産業衛生学会海外勤務健康管理研究会
 「新型コロナウイルス情報 企業と個人に求められる対策(2020年3月2日)」

・日本感染症学会
 「岡崎医療センターにおけるSARS-CoV-2無症状病原体保有者のPCR陰性化状況」

【文責】
今井 鉄平(OHサポート株式会社・代表/産業医)
※本文章は、産業医有志グループ(今井・櫻木・田原・守田・五十嵐)で作成しました。
 厚生労働省新型コロナウイルス対策本部クラスター対策班・和田耕治先生(国際医療福祉大学・公衆衛生学教授)のサポートも受けております。

OHサポート株式会社では、経営者・総務担当者向けに必要な感染拡大防止策情報を随時配信しています。
本情報は著作権フリーですので、ぜひお知り合いの経営者・総務担当者の方に拡散をお願いします。

また、動画配信も順次行っております。
※上部のリンク(3)をご覧ください。

※これまでに配信しましたバックナンバーは、上部のリンク(4)をご覧ください。
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以上
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