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「中小企業の経営課題に関するアンケート結果」について

2019年3月14日
東京商工会議所
中小企業部

 東京商工会議所(三村明夫会頭)は、中小企業委員会(大久保秀夫副会頭、フォーバル会長)において、標記調査結果を取りまとめましたのでお知らせします。
 本調査は、中小企業が抱える経営課題を、「売上」や「経営資源」の視点から検証し、併せて「大企業との取引」、「設備投資」、「ITの利活用状況」、「事業承継」を調査したものです。本年度は、金融検査マニュアルの廃止が予定されていることから、特に「金融」について詳細な調査を実施しています。

【 調査結果の主なポイント】

【経営状況・事業の見通しについて】 (報告書P5)
・収益の状況について、黒字の割合が全体の62.3%(前回60.5%、前々回57.9%)を
占めており、赤字は11.4%(前回14.0%)に留まる。
・業界の中期展望(今後3~5年)については、「縮小見込」が前回より微増。特に、建設業に
おいては30.9%(前回15.6%)と、昨年度から倍増するなど見込みの悪化が目立つ。

【売上と事業コストについて】(報告書P6)
・43.4%の企業が、昨年と比較して売上高が「増加」している。
・「販売・受注量」が増加した割合は41.0%(前回37.0%)、一方「販売・受注単価」が
上昇した割合は25.3%(前回20.2%)に留まる。売上増加の主因は「量」によるもの。
・人件費、仕入・原材料費、物流コストが一年前と比べて増加した企業は6割を超える。一方、
価格転嫁について「概ね反映した」企業は12.3%に留まる。

【経営資源(金融)について】(報告書P7~)
・借入に対する代表者保証契約は、保証協会融資、プロパー融資ともに、ほぼ8割に代表者保証がつく
・「経営者保証のガイドライン」の認知度は49.2%と5割を切る。「民間金融機関からの説明」
についても、「説明がなかった」が50.0%。
・75.9%の企業が残高試算表を、62.1%の企業が資金繰り表を「毎月作成」している。一方、
対話に必要なツールである「ローカルベンチマーク」等の金融トピックに関する認知度は低い。

【大企業との取引について】(報告書P10~)
・取引に何らかの課題を感じている企業は48.0%。項目別では「手形・売掛金の支払サイトが長い」
(21.3%)が最も多く、「取引価格の値下げ要請」(18.5%)、「大企業の働き方改革による影響」
(11.1%)と続く。

【設備投資について】(報告書P11~)
・新規、既存の設備投資ともに増加傾向にある一方、企業の規模別では、中規模企業者(65.2%)と
小規模企業者(36.7%)とで実施割合に大きなひらきがある。

【事業承継について】 (報告書P13~)
・抜本拡充された事業承継税制について、「改正・内容ともに知っている」は29.4%。情報入手元は
顧問税理士等が最も多く、次いで商工会議所等支援機関。
・事業承継税制を利用する際には5年以内に特例承継計画の提出が必要となるが、その申請については
「よく分からない」が23.5%、「未定」が40.3%。周知・支援を一層強化する必要がある。

対 象:当商工会議所会員企業の中小・小規模企業8,000社
期 間:2018年11月16日~12月7日
回答数:1,375社(回収率17.2%)(うち小規模企業者 549社 (39.9%)

中小企業の経営課題に関するアンケート結果

以上
【本件担当・問い合わせ先】

東京商工会議所
中小企業部
担当 霜島、菅原、大山
TEL 03-3283-7724