"東京商工会議所"は、なぜできたのか? ー 設立の経緯
時は明治初期。日本の産業発展、自主独立を阻む欧米列強との不平等条約の撤廃を目指していた明治政府は、「(不平等条約は)日本の世論が許さない」と条約の改正に向けて諸外国と交渉を行いました。
ところが、時のイギリス公使 ハリー・パークスに、「日本に世論があるといえるのか?日本には多数が集合して協議する仕組みがないではないか。個々めいめいによる申し出は世論ではない。」と反駁されてしまいます。こうして「輿論(よろん)」の必要性を痛感した時の大蔵卿(財務大臣)・大隈重信は、渋沢栄一に相談を持ちかけました。
渋沢栄一は、使節団の一員として渡欧していた経験から、「世論を形成する機関」として欧州の「商業会議所」を思い起こし、これを日本の実業界の地位を向上させる好機と捉え、東京商工会議所の設立を思い立ちました。こうして海外視察の経験がある大倉喜八郎ら7名の創立発起人らとともに準備を進め、1878(明治11)年3月、東京商法会議所(現:東京商工会議所)が誕生したのです。
東京商工会議所のあゆみ
1875年
- 12月
- 東京会議所 (東京商工会議所の前身)が議員、役員選挙制度を導入し、 現行の組織に繋がる商工会議所制度が事実上発祥
1878年
- 3月
- 東京商法会議所が我が国初の商法会議所として設立
初代会頭 渋沢栄一
1954年
- 4月
- 現行法に基づく特別認可法人 東京商工会議所設立
※1953年8月 商工会議所法公布
1960年
- 3月
- 大田支部設置
初の支部が誕生
1973年
- 10月
- 小企業経営改善資金 (マル経資金) 融資制度発足
※現在は小規模事業者 経営改善資金
1978年
- 10月
- 創立100周年記念式典を日本武道館で挙行
1986年
- 8月
- 会員数 5万件突破
1995年
- 3月
- 初の会員大会 (商工会議所 制度発祥120周年記念式典) を 東京ドームで挙行、東京商工会議所宣言採択
- 11月
- 東京初のUHF局 「東京メトロポリタンテレビジョン」開局に携わる
1999年
- 3月
- 会員数 10万件突破
2008年
- 3月
- 創立130周年記念式典 「東商サミット130」 開催
東商サミット宣言採択
2013年
- 9月
- 第32回夏季オリンパック・ 第16回夏季パラリンピック 東京での開催決定
2018年
- 12月
- 創立140周年・新ビル落成記念式典を開催
2021年
- 7月
- 新型コロナウイルスワクチンの共同接種を実施
2024年
- 7月
- 初代会頭・渋沢栄一翁を肖像画に起用した新・一万円札が発行