きくひろ

フグ料理は、2000年前からすでに食べられていた記録があり、戦国時代に九州の武士が食べてしまい中毒を起こしたこともあり、フグ禁食の命令があってから、ようやく明治時代に解禁され、戦後しっかり法律が決められ、フグ処理の資格所有者のみが扱い、指定された部分のみを食べることが可能となりました。現在に至っては、高級料理として扱われており、山口（産地）や大阪（資格所有者が多いため）の名物となっています。このような特別な魚料理ですが、東京でも本格的なフグ料理を食べることができます。ここはまさに東京でも珍しい本格フグ料理屋です。

店は下町にあり、建造物も相当に歴史的で、店の外装を見た瞬間、伝統的な日本料理店と思うはずです。座敷席、料理場正面のカウンター席に加えて、多くの日本酒の陳列などからも伝統を感じられ、40年の歴史が実感できます。さらに壁一面びっしりと有名人のサインが並んでいます。元日本首相、元文部科学大臣などの政治家をはじめ、国民的英雄のレスリング選手吉田沙保里、歌手の郷ひろみなど、数えきれないほどの有名人が何度も訪ねてくる有名店です。

このような有名店ですが、基本的には3種類の料理のみを提供しています。フグ、スシと和牛です。和牛はしゃぶしゃぶで、夏限定ですが、フグとスシは一年中あります。フグを食べられる部分は限られていますが、単品・フルコースを選べますし、スシも単品およびセットを注文できます。

当店で最も驚いたのは価格です。なぜなら、どの料理も相当高級な食材を使っており、フグ自体がそもそも高級であることに加えて、フグ料理のための自家製のポン酢の材料も高級なものを使用しており、スシのネタも毎日築地から仕入れた新鮮なものを使用し、しゃぶしゃぶに使う和牛もA5で最高級なため、価格も相当高いと思いましたが、意外にも庶民的な価格でした。フグのフルコースも8000円弱で、他店であれば通常1万円前後は間違いありません。寿司8貫＋巻物も1500円で、回転寿司とあまり変わらない値段であり、和牛のしゃぶしゃぶも5000円くらいなので、相当お得に感じられます。これらの料理を作っているのは、築地の老舗寿司屋さんでしっかり修行した二代目です。まだ若いですが、腕は相当すごいです。握った寿司は、シャリの間に空気がバランスよく入っているので食感も絶妙であり、それは一流の証でしょう。