リーダーの時間術

第4回 予定通りいかない状況に対処する

2017年3月21日
東京商工会議所
掲載:東商新聞 2016年7月10日号

「時間管理」は、細かくスケジュールを立てるよりも、少し長い目で仕事全体を整理することの方が実は重要です。本連載ではそのための時間管理を紹介します。(全5回)

 第1回でも述べたように、時間管理は「時間の使い方」を計画し、実行し、振り返る一連の手法です。しかし、実際の仕事では、計画通りにいかないことも多いものです。たとえば、「予定外の仕事が入ってきて、自分の仕事が進まない」という声をよく聞きます。電話がかかってきたり、上司からの質問、部下からの相談ごと、外部からの問い合わせなど、急に降りかかってくる予定外の仕事は意外に多いのです。

 実際に実績を記録してみると、予定外の仕事は誰にでもありますし、本人が予想したよりも多いのが普通です。具体的にいうと、少なめの人でも平均で労働時間の2割弱程度、リーダーや外部との折衝が多い人では3~4割に達することも少なくありません。このような予定外の仕事があるという前提で計画を考えなければ、時間管理はうまくいきません。

 例えば、前回紹介したように「タスクを実行日に書く」ことは重要ですが、この実行日が期限ギリギリでは困ります。その日の予定外の仕事が多ければタスクが終わらず、長時間残業しないと間に合わなくなるからです。第2回で紹介した「なりゆき残業」です。

 そうならないためには「予定外の仕事は必ずある」ことを前提に、タスクの実行日を考えることが必要です。期限ギリギリではなく、余裕のある実行日で考えておけば、予定外の仕事が多くても、タスクの実行日を変更して対応できますし、むやみに長時間残業することがなくなります。

 このように、タスクの実行日は当日の状況によって変更することも必要です。「この日にやる」と決めたからといって、絶対にその日にやらなければいけないわけではなく、状況に応じて臨機応変に対応していくことが残業を減らすために役立ちます。予定外の仕事が多い日は、その日のタスクのいくつかを翌日に繰り越す。逆に、予定外の仕事が少なめの日は、翌日のタスクも先取りして終わらせてしまう。このようにその日の状況に応じて対応することで、仕事量を平準化できるのです。

 ただし、タスクを翌日に繰り越すことばかりが続くようだと要注意です。この場合、「予定外の仕事」の量を少なく見積もりすぎているかもしれません。予定外の仕事がどのくらいあったか、という実績を記録してみるとより正確に状況を把握できますし、次に見積もる場合に役立ちます。

 また、予定外の仕事が多すぎる場合は減らすことも必要です。たとえば、問い合わせが多い場合、情報を公開、共有することで減らせるかもしれません。検討してみてください。


執筆者:ビズアーク 社長 水口和彦

掲載:東商新聞 2016年7月10日号

以上