片づけ力が会社を変える!

第4回 片づけは、「気づく力」を育てる

2016年12月20日
東京商工会議所
掲載:東商新聞 2016年7月10日号

会社が変わるためには、組織が変わり、組織が変わるためには、人が変わり、人が変わるためには、能力や性格ではなく、まず行動が変わる必要があり、行動が変わるためには仕事習慣を変える必要があり、仕事習慣を変える第一歩が、片づけ習慣を変えることになります。「片づけ力」を身につける方法を5つのステップで解説します。(全5回)

慣れが「乱れ」として現れる


 「片づけとは、単に美化運動に留まらず、○○○の練習である」。さて、○○○に入る言葉を当ててください。ところで、7月にもなると、春に入社した新入社員もそろそろ職場の雰囲気に慣れてくる時期です。同時に、机上にはちらほらと書類の「小山」や引き出しの中の乱れなどが散見し始める時期でもあります。心理学でよく「人は環境に適応する生き物である」と言われますが、良い面である反面、慣れも度を越せば、その意識はいつの間にか乱れとして職場に現れ出します。さらにベテランの社員に至っては、目の前のデスクの散らかりや両脇に高々と築かれた書類の山は、既にいつもの「見慣れた風景」になっている人もいます。
 職場を片づけることのメリットの一つは、単なる「美化運動」に留まらず、当たり前になった風景を改めて見直す、いわば「『気づき』の練習」になるということです。机上の大半を占めている書類の山を整理すれば、いつの間にか仕事の効率が落ちていることや残業時間が増えている原因に気づきます。気づけば、どのようにすればよいかの対処法を考えることに繋がり、結果、具体的な行動を取ることができるのです。


社員が自発的に動く練習になる


 この話を聞いたある男性社員は長年「風景」になっていたデスクマットの下に挟んであったメモ類を処分し始めました。さらには、マットそのものがモノの溜まる温床だと気づいて、デスクマット自体を片づけたのです。結果、彼のデスクの上は、パソコンと電話だけのスッキリした状態に変身しました。机上が片づいたことの心地良さが仕事を快適に進められる要因だと気づいた彼は、さらに引き出しや足元、デスク周り全てを「完璧にリセット」したのです。
 実は、“動かない”モノの片づけで環境に対する感度が高まれば、常に変化し“動く”コトにも対応する力が養われます。つまり、片づけを通して【気づき】→【考え】→【行動する】という社員は仕事においても自発的に動くようになるのです。

◎片づけ「最初の一歩」
デスクマットやペン立てなど、今までデスクに何気なく置かれたグッズ類を見直しましょう。さらに可能なら、職場のレイアウト変更を提案してみてはいかがでしょうか?目の前の風景を変える大きなキッカケになるはずです。


執筆者
かたづけ士 小松易

掲載:東商新聞 2016年7月10日号

以上