中小企業のためのウェブサイトの分析・改善

最終回 ウェブサイト分析がもたらす価値

2016年10月18日
東京商工会議所
掲載:東商新聞 2016年6月20日号

ウェブサイトを改善することで、顧客の満足度を上げ、ビジネスの拡大を見込める「ウェブサイトの分析や改善」。アクセスログのデータを活用することでわかるサイト利用者の実態とニーズをもとに、それにあったサイト改善を行う方法について、具体的に解説します。(全6回)

 最終回は、ウェブサイト分析から得られるレポートがテーマです。レポートの目的を改めて考えてみましょう。レポートの目的は得られた結果を元に判断を行うことです。レポートを作成する側は判断を仰ぐようなレポートを作成しなければいけませんし、受け取る側は書かれている内容を元に判断を行う必要があります。ここで言う判断とは、予算の見直し・目標やKPIを達成するためのディスカッションの実施・今後の方針を決定するなどがあげられます。
 そこで、ぜひ社内で推進していただきたいのが「サマリーレポート」です。


サマリーレポートとは?


 「サマリーレポート」とは1枚で先月の状況と今後判断を仰ぎたいことがまとまったシートのことを指します。このようなシートを作成する3つの理由は「短時間で理解しやすい」「作成者が重要なポイントの整理に活用できる」「1枚なので配布・共有が容易」です。多くの表やレポートを見ても結局、何が言いたかったのか分からないまま報告の時間が過ぎてしまうことがあります。そのためにレポートを共有するあるいは報告するタイミングでは、まずこの1枚だけを使って説明し、必要であれば細かいデータで補足するべきです。

 作成の際は、重要なことを分かりやすく伝える必要があります。伝わりやすさは 表<グラフ<文章+図版 という関係性があります。例としてあげているサマリーレポートには表やグラフは一切ありませんが、サイトで先月起きた重要なポイントや、目標・KPIに関してはすぐに伝わってくるのではないでしょうか?

 サマリーレポートを作成後、報告する場合にも気をつけるべきポイントがあります。もし、報告の時間が20分あったとしたら、報告そのものには最大でも半分の時間(この場合は10分)以上使ってはいけません。報告は早めに終わらせて、判断が必要なことに対して議論や質疑応答を行うべきです。これがないと一方通行のコミュニケーションで終わってしまいます。良いレポートや報告とはアクションに繋がるものであり、アクションがサイトやウェブビジネスの改善に繋がります。


 

 

終わりに


 今回の連載では目標やKPI設計、様々な解析ツールの紹介、分析方法、レポーティングとウェブビジネスを改善する上で重要なポイントを網羅的に紹介してきました。改善は一筋縄にはいきませんが、このような分析や改善活動を行っていなかったサイトほど改善幅があるともいえます。本連載の最大の目的は、読んでいただいた皆さまに改善に向けたアクションをとってもらうことです。解析ツールを導入してみる、サイトの分析を依頼してみる、レポートを改善する。ウェブサイトは放っておいても改善しません。ぜひ、何かしらのアクションに取り組んでいただければ幸いです。


執筆者:小川 卓
ウェブアナリスト・経営コンサルタント。リクルート、サイバーエージェント、アマゾンジャパンなどで勤務後、独立。現在は、中小企業から大企業まで様々なサイトのコンサルティングを実施。

掲載:東商新聞 2016年6月20日号

以上