外国人観光客を呼び込むマーケティング

第3回 飲食店が押さえるべき3つのポイント

2016年7月5日
東京商工会議所
掲載:東商新聞 2015年12月20日号

 日本を訪れる外国人観光客が最も期待していること─それは「ショッピング」ではなく、「日本食を食べること」です(観光庁「訪日外国人の消費動向平成27年7-9月期」による)。欧米はもちろんのこと、アジアの多くの地域でもヘルシーな日本食は、年々人気が高まってきています。
 また、日本食だけではなく、中華や韓国、タイ、フランス、イタリアといった国の料理も、日本では高いレベルのものが味わえるという評価を受けています。そこで今回は、外国人観光客を呼ぶために飲食店が押さえるべきことを、3つのポイントにわけて説明していきます。

①ベストなタイミングでPRしよう


 まず、外国人観光客に知ってもらうためにはどうしたらいいのでしょうか。そのヒントは、「外国人観光客がいつ・どこで行きたいお店を決めるか」にあります。これを把握しないまま効果的なPRをすることは不可能です。
 決められたコースを行くツアー客であれば別ですが、昨今注目を集めている個人旅行者(FIT)たちの多くは、現地、つまり日本に着いてから行きたい飲食店を決めます。したがって、海外でプロモーションをかけることは、費用対効果が高いとは言えません。日本に到着したばかり、つまり空港でのアプローチも少し早過ぎるくらいです。
 これから外国人観光客の集客を始めてみようというのならば、あなたのお店の近くにある外国人観光客の多い宿泊施設でのプロモーションが最もオススメです。彼らに対して、割引チケットを提供したり、英語の説明を付けた料理の写真を置いてもらったりしましょう。

②外国人の目線で集客しよう


 お店の前を通る外国人観光客に来店してもらうためには、外国人の目線になることが重要です。
 自分が海外旅行をしたときのことを思い出してみてください。英語やフランス語、あるいは中国語やタイ語で書かれたレストランのメニューを見て、腰が引けたことがありませんか? まったく同じことがあなたのお店でも起きています。彼らの目線に立つことで、敷居を下げる方法が見えてきます。先ほども書いた、料理の写真で伝えるというのも良いでしょうし、お店の中や調理場をオープンにすることも効果的だと言えるでしょう。

外国人観光客の意思決定のタイミング

外国人観光客の意思決定のタイミング

③満足度を意識しよう


 インターネットが普及したことで、クチコミのスピードがとても早くなりました。ガイドブックの時代であれば、一度掲載されれば、最新号が出るまでは安泰だったかもしれませんが、今は、日に日に更新されるクチコミが明暗を分けます。そこで重要なのが、満足度を上げることです。満足度が低ければ、一気に悪い評価が広がり、お店は閑古鳥が鳴くことでしょう。
 たとえば、ある焼肉店では、味にこだわっていることはもちろん、食後のサービスも徹底しています。積極的に記念写真を撮る、食後の観光プランをヒアリングした上で、会計の際に道案内や隠れた名所を教えるなどを行っています。そうすることで、お客様は良いクチコミを書き込みたくなるのです。
 今回紹介した3つのポイントは、いずれも費用をあまりかけずに手軽に行うことができる施策ばかりです。まずはこれらを実践することから始めてみてはいかがでしょうか。


執筆者
村山 慶輔

やまとごころ社長。インバウンド戦略アドバイザー。ホテル・小売・飲食・自治体向けにインバウンド情報の発信、教育・コンサルティングサービス等を提供。著書に「訪日外国人観光ビジネス 入門講座 沸騰するインバウンド市場攻略ガイド」(翔泳社)

掲載:東商新聞 2015年12月20日号

以上