第4回 海外向けネットショップを始めよう
掲載:東商新聞 2015年10月20日号
2018年に2倍に膨らむ越境EC市場
(http://www.meti.go.jp/policy/it_policy/statistics/outlook/ie_outlook.html)」によると、2014年の日本・米国・中国の3か国における越境電子商取引(越境EC)の市場規模は、約2.2兆円(日本市場を除くと2兆円)となっています。日本国内の消費者向け電子商取引市場規模が12.8兆円ですから、越境EC市場の大きさは無視できない規模になっていることがわかります。
また、同調査では、2018年には越境EC市場は約4.4兆円(日本市場を除くと約4.1兆円)に拡大すると予測しています。つまり海外からネットで買う米国と中国の通販市場は4年間で約2倍にも成長するのです。
海外市場向けネット通販の始め方
①目的を明確にする
なぜ海外に売るのか、また、どの国の市場に売るのかを決めます。ビジネスですからユーザーや顧客のニーズを探り、自社のビジネスが海外ニーズに対応できるのかどうかを探ります。
②海外に代理店や販売店を設けるのか、日本から直売するのかを決める
海外現地に自社製品をネット販売する代理店や販売店を作り、その代理店等が現地語でネットショップを作って自社製品を売る方法と、日本の自社から直接海外に売る方法があります。より市場を理解した売り方をするのであれば前者になり、製品知名度やブランド力を生かした売り方であれば後者を選択します。
③海外向けネットショップの構築
日本から直接海外市場に売ると決めた後は、早速サイトの構築です。決済や為替、物流が絡むので、一般的には海外向けネットショップ構築の専門サービスを利用します。
例えば「CDJapan“Japanese Craft”」です。「海外向け販売の完全代行一括サービス」を行っており、英訳ページの作成、海外販売向け決済、海外配送を行っています。
「日本の誇る優れた商品」を世界各国に向けて販売する英語ショッピングサイト「CDJapan:Japanese Craft」 www.cdjapan.co.jp/wa/
④より簡単に海外向け販売したいのなら「転送コム」
日本市場向けのネットショップを既に持っている場合には、そのネットショップを活用して海外向け通販を開始することができます。その際には、日本の通販商品を海外発送(国際配送)するサービス「転送コム」を使うとよいでしょう。使い方は、日本のネットショップのサイドバー等に転送コムのバナーを張り付けるだけです。例えば日本に旅行に来た外国人がA店で買い物をし、帰国してからもA店のネットショップを閲覧したとします。転送コムの英語のバナーから会員登録をすると、日本の住所(転送コムの日本倉庫の住所)が発行され、海外発送の対応をしていない日本の通販サイトからでも買物をすることができます。つまりA店は転送コムの日本倉庫に商品を配送するのみで、その後の海外配送は転送コムが買い手の費用負担によって行うのです。
執筆者
竹内 幸次
スプラム代表・中小企業診断士
