クラウドファンディング活用術

第2回 BtoC商品の活用事例

2016年2月9日
東京商工会議所
掲載:東商新聞 2015年10月10日号

 クラウドファンディングは実際に作ろうとしているものをネット上でプレゼンテーションし、お金を出してくれた人に出来上がった商品を渡す仕組みです。そのため、新商品の量産プロセス費用を事前に捻出できる手法であり、マーケティングやプロモーションの効果も高いことは前回お伝えしました。今回はそういった形で面白い新商品を生み出している事例をご紹介します。

 愛知県の自動車用品メーカーが新規事業としてデザイン性の高いLED電球を作るかどうか検討している際に、・顧客ニーズの有無を確認したい、・初期の量産費用を捻出しリスクを下げたい、・新商品を話題化したい、との理由でクラウドファンディングの手法を活用したいとの相談がありました。
 実際に作ろうとしているLED電球をクラウドファンディングを活用し、予約販売したところ約1,400万円の申込みがあり、初期の量産費用が捻出できました。また、LED電球にデザイン性を求めている市場ニーズの確認もできたそうです。どのデザインが人気かも確認できました。さらに、商品コンセプトの面白さが話題を呼びSNSでの口コミ拡大はもちろんのこと、WEBニュース、雑誌、TVでも大きく取り上げられることとなり、この新商品「Siphon」の認知度アップにも成功しました。もちろんそれを見た販路側から売らせて欲しいというアプローチが殺到したというのは言うまでもありません。

「Siphon」

「Siphon」

時計業界に新風を ~日本製のプレミアムな腕時計を1万円台から気軽にカスタムオーダー~


 元々ブランド時計の輸入事業を展開していた方が、新たに新会社を起こし、自社ブランドの時計を作って販売する事業を開始することとなりました。当社で「ベルトが着せ替えられる腕時計」をクラウドファンディング(予約販売)しました。目的はLED電球「Siphon」と同じで、結果として瞬く間に500万円の申込みが入り、自分が作ろうとしている商品を求めている人が世の中に確実にいるのだと証明することに成功しました。同じく、多数のメディアに取り上げられ販路開拓が非常にスムーズに行くとともに、金融機関からも融資のアプローチが来たそうです。通常なら数年はかかるような事業レベルにわずか半年で持っていけたことは我々もクラウドファンディングの新しい可能性を感じた良い事例でした。また、クラウドファンディングで申し込んでくれたサポーターがブランドのファンになってくれて、まさにブランドや時計プロダクトの伝道者として広めてくれたり、参考意見をくれたりというロイヤルカスタマーを超えた仲間のような存在になっていたことも印象的でした。

「ベルトが着せ替えられる腕時計」

「ベルトが着せ替えられる腕時計」

 このように、自社の新商品を開発する際にクラウドファンディングを活用して、量産資金の獲得のみならず、テストマーケティング、プロモーション、販路開拓、ファン作り、実績作りとして、活用する事例が次々と出て来ており、事業を大きく伸ばしています。消費者向けの新商品アイデアをお持ちの方は活用することをオススメします。


執筆者
中山 亮太朗

サイバーエージェント・クラウドファンディング社長。クラウドファンディングの購入型プラットフォーム「Makuake」を運営。

掲載:東商新聞 2015年10月10日号

以上