管理職を育てる 環境づくり

第6回 部下を育成する

2015年12月8日
東京商工会議所
掲載:東商新聞 2015年6月20日号

管理職を育てるための環境づくりのポイントについて紹介します。(全6回)

■人が育つ会社は伸びている

 会社を発展させるのは人です。会社は人の集まりだからです。事業を繁栄させるのも人です。事業は人によって進められるからです。今回のテーマは「部下を育成する」です。部下を育成するうえで、一番重要なことは何か。それはまず「上司が成長すること」です。自ら成長せずして部下を育成することはできません。そのうえで、部下を育成するためのポイントを解説します。

■伸びている会社とは

 売上の額が大きいからといって、従業員が多いからといって、「伸びている会社」とは限りません。たとえ規模の小さな事業であっても、マネジメントの基本と原則に則って事業を進めれば、会社を伸ばしていくことができます。具体的には、新しいことに取り組もうとする時、現状を変えようとする時、「お金がない」「時間が無い」などと、できない理由が最初に出てくる会社は良い会社になれません。障害を乗り越える前に、「変わりたくない症候群」に負けてしまうからです。また、経営陣の発言が食い違っていると、従業員はどの発言を信じれば良いのかがわからず、混乱してしまいます。また、上司が「私はそうは思わないけれども、決まったことだから」という発言をすれば、部下はその人について行こうとは思えません。そのため、そのような組織では力が発揮されず、バラバラになってしまい、成果をあげることができなくなってしまいます。

■2種類のお客様

 会社は、2種類のお客様がいます。一つは会社の外にいて商品やサービスを使ってくれる人です。もう一つは会社の中にて会社の仕事をしてくれる人です。会社の外にいる人は商品やサービスが良いものでなければ使ってくれませんし、会社の中にいる人たちが仕事にやりがいを持てなければ 会社の外にいる人を満足させる事業にはなり得ません。会社は、この2種類のお客様がいなければ生きていくことはできません。

■3つのイエス

 ドラッカー教授は、かつて大学での講義中にこう言いました。「ある3つの問いに、社員がイエスと答える会社はいい会社です。しかし、イエスが得られない場合、会社にとって深刻な問題が起こります」。その授業を聞いていた学生が、やがて会社の経営者になりました。彼はその3つのことを従業員に聞いたらすべてイエスと答えてもらえるような経営を進めていったそうです。その会社はみるみる成長していきました。従業員満足と顧客満足はセットなのです。その3つの問いは次の通りです。ぜひ、社内でも試してみてください。

■今日のアクション

1. あなたは、会社で敬意を払われていますか?
2. あなたが、勉強しようと思ったとき、会社は応援してくれますか?
3. あなたが、貢献していることを会社は、知っていますか?


執筆者
山下 淳一郎(やました・じゅんいちろう)

トップマネジメント社長。ドラッカー専門のマネジメントコンサルタント。会社が本来持つ力を最大限に活かす為に経営者を対象にマネジメントの支援を行なっている。

掲載:東商新聞 2015年6月20日号

以上