管理職を育てる 環境づくり

第3回 組織をつくる

2015年12月1日
東京商工会議所
掲載:東商新聞 2015年5月10日号

管理職を育てるための環境づくりのポイントについて紹介します。(全6回)

■会社に繁栄をもたらすもの

 前回は、管理職の育成とは「管理職を育てること」はでなく「管理職自ら育つ環境をつくること」であるということとマネジメントの基本的な仕事である5つの仕事のうち、「目標を設定する」というテーマで具体的なアクションを紹介しました。今回もぜひ実践して、管理職自ら育つ環境をつくりあげてください。それが会社に繁栄をもたらします。それでは、今回は管理職の第二の仕事である「組織する」というテーマについて解説します。

■会社の成長を左右するもの

 何をどこまで責任をもって取り組めばいいのかわからない。何をどこまで任されているのか分らない。これは、私が多くの管理職の方から実際に聞く言葉です。管理職はすべてにお伺いを立てるような状況に置かれています。ゆえに、自分の仕事の最終責任者は自分であると考えてくれる管理職が育ちにくい環境がつくられてしまいます。ただでさえ忙しい社長は、その「伺い」に対応せざる得ないため、ますます忙しい状況に引きずり込まれ、指示命令に追われるだけのマルチプレイヤーに陥ってしまいます。それでは事業の成長はおろか次から次へと起こる課題に耐えられなくなり、事業は停滞してしまいます。その壁を打開できるかどうかが会社の成長を左右します。

■管理職の第二の仕事とは…

 その状態を打開するために具体的にどうすれば良いのでしょうか?その鍵を握るのは言うまでもなく「管理職自ら育つ環境をつくること」になります。今回のテーマである「組織する」ということはいったいどういうことでしょうか?ビジネスマネジャー検定試験公式テキスト(東京商工会議所)にも明示されているように、管理職の役割は「チームで成果を出すこと」です。つまり、組織で働く一人ひとりが協力し合って成果をあげることです。さらに噛み砕いでいえば、一人ひとりが支え合う状態をつくり上げることです。それが「組織する」ということです。

■今日のアクション

 まず管理職自身にチームの仕事をリスト化させてください。意外にもこんなにたくさんの仕事があったのか、と思うはずです。こうしてはじめてチームとしての仕事が明らかになり、チーム全体を一人ひとりが理解するようになります。次に、「こちらは何をどのようにすればあちらが成果を上げやすいか、あちらに何をどのようにしてもらうとこちらは成果を上げやすいか」をお互いに話し合い、決めることです。組織で仕事をしている以上、「自分のアウトプットは他者のインプットにならなければならず、他者のアウトプットは自分のインプットにならなければ仕事として成り立たないから」です。ぜひこのポイントを押さえて、管理職に「組織をつくる取り組み」を与えてください。

1. チームの仕事を洗い出してリスト化する
2. 部門間で仕事のやり方を話し合って決める


執筆者
山下 淳一郎(やました・じゅんいちろう)

トップマネジメント社長。ドラッカー専門のマネジメントコンサルタント。会社が本来持つ力を最大限に活かす為に経営者を対象にマネジメントの支援を行なっている。

掲載:東商新聞 2015年5月10日号

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